地学 2学期中間試験問題 F1G

1997.10.18(土曜)1限実施 萩谷出題


T

堆積岩の分類について、以下の文章を読み、空欄を最適の語句・数値で埋めよ。

 堆積岩は、地表の岩石が風化・侵食・運搬・堆積の諸過程を経て、地層をつくり、最終的に固結した岩石となったものである。

 堆積岩のできかたを考えてみよう。岩石は風化により、レキ、砂や泥といった砕屑粒子と、水に溶けた各種のイオンとに分解され、運ばれる。どちらのかたちでより多く分解されるかは、岩石の種類や風化の場の気候条件、地形などによって異なってくる。氷河地域では、地表の岩石は大半が砕屑粒子のかたちになり、一方、熱帯の高温多雨の条件では、岩石の風化は(a)イオンのかたちで溶脱される割合が高くなる。

砕屑粒子は、流水のはたらきによって運ばれ、粒子の大きさに応じて場所を選んで堆積し、地層をつくる。( 1 )の作用により粒子がつくられ、運ばれて地層をつくる場合もある。

 一方、イオンのかたちで運ばれた岩石の成分は、生物が骨格をつくるために利用され、それが( 2 )や( 3 )のような岩石になったり、海水が干上がったところでは( 4 )や石膏などの蒸発岩となって堆積岩をつくることがある。

 このように、地層や堆積岩の形成には、水や大気が大きな役割を果たしていることがわかる。地表での水の循環、状態変化のサイクルが、堆積岩の形成には重要である。また、生物活動が堆積岩の形成に関与している場合もある。とりわけ、( 2 )はカルシウムの炭酸塩として、(b)( 5 )を含む岩石なので、地球の大気組成や表層環境に重大な影響を与える岩石であるともいえる。

【設問】

A)下線部aに関連して、化学的な風化(溶脱)作用で形成される地形の例を挙げよ。

B)下線部bに関連して、それが地球表層環境に及ぼす影響について、簡単に説明せよ。

 

U

 変成岩の分類について、結晶片岩、ホルンフェルス、片麻岩の違いは何か。具体的に説明せよ。

V

 火星探査機Mars Pass Finderは、火星表層の岩石について化学組成情報を送ってきた。以下にそのデータの一例を挙げる。このデータをもとに、火星表面の岩石の種類についてわかること、考えられることを簡単に述べよ。

成分

(質量%)

SiO2

55.0

TiO2

0.7

Al2O3

12.4

FeO

12.7

MnO

0.9以下

MgO

3.1

CaO

4.6

Na2O

4.1

K2O

1.4以下

その他

5.1

W

1)大陸地殻には、地球史の約90%にあたる期間の地層や岩石の記録が残されている。30億年よりも古い岩石の分布は、どのような場所に限られると考えられるか。説明せよ。

2)月の探査では、月の表面には30億年から40億年前の岩石がほとんどで、それよりも新しい岩石は見いだされなかった。この理由として考えられることを述べよ。

X

地球の熱史について、次の問いに答えよ。

1)地球の形成時に、地球表面は高温の状態になったと考えられている。その根拠を述べよ。

2)現在の地球は、内部ほど高温であると考えられている。それはどうしてか。説明せよ。

3)地球が集積・形成時に持っていた熱だけでは、現在の内部の温度分布や、現在でも継続するプレート運動や、火山活動による放熱の量が説明できない。これは、地球の内部で何らかの熱源があることを示している。その熱源はどのようなものか説明せよ。

4)地球内部の温度が低下していくと、マントル内にある地震波の低速度層は、その位置や状態がどのように変化するか。また、それによってプレート運動はどのように変化すると考えられるか。説明せよ。

5)地球は火星や月と異なり、現在でも活発な火山活動が見られる。これは月や火星と比べて、地球がどのような特徴を持っているためか、説明せよ。

以上

 


地学 2学期中間試験 F1G 解答用紙

1997.10.18(土曜)1限実施 萩谷出題

 

T(堆積岩の分類)

 

1)       2)       3)       4)       5)       

 

A)

 

B)

 

 

 

U(変成岩の分類)

 

 

 

 

V(火星の岩石の化学組成)

 

 

 

 

W(地殻の形成史)

1)

 

 

2)

 

 

 

X

1)

 

 

2)

 

 

3)

 

 

4)

 

 

5)

 

 

 

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