1998.10.19(月曜)3限実施 萩谷出題
堆積岩は、地表の岩石が風化・侵食・運搬・堆積の諸過程を経て、地層をつくり、最終的に固結した岩石となったものである。
堆積岩のできかたを考えてみよう。岩石は風化により、レキ、砂や泥といった砕屑粒子と、水に溶けた各種のイオンとに分解され、運ばれる。どちらのかたちでより多く分解されるかは、
岩石の種類や風化の場の気候条件、地形などによって異なってくる。氷河地域では、地表の岩石は大半が砕屑粒子のかたちになり、一方、熱帯の高温多雨の条件では、
岩石の風化は(a)イオンのかたちで溶脱される割合が高くなる。
砕屑粒子は、流水のはたらきによって運ばれ、粒子の大きさに応じて場所を選んで堆積し、地層をつくる。( 1 )の作用により粒子がつくられ、運ばれて地層をつくる場合もある。
一方、イオンのかたちで運ばれた岩石の成分は、生物が骨格をつくるために利用され、それが( 2 )や( 3 )のような岩石になる。海水が干上がったところでは( 4 )や石膏などの蒸発岩となって堆積岩をつくることもある。
このように、地層や堆積岩の形成には、水や大気が大きな役割を果たしていることがわかる。地表での水の循環、状態変化のサイクルが、堆積岩の形成には重要である。
また、生物活動が堆積岩の形成に関与している場合もある。とりわけ、( 2 )はカルシウムの炭酸塩として、(b)( 5 )を含む岩石なので、地球の大気組成や表層環境に重大な影響を与える岩石であるともいえる。
【設問】
A)下線部aに関連して、化学的な風化(溶脱)作用で形成される地形の特徴的な例を挙げ、その形成のしくみを説明せよ。
B)下線部bに関連して、主に化石燃料の大量消費によって引き起こされている、現代の環境問題はどのようなものか。
C)地球史の初期、純粋な水が雨として地表に降り注ぎ、地表の低いところにたまったことによって、はじめて海が形成されたと考えられている。
しかし、その後の地球史を通じて海水の組成は現在とほとんど変わりなく、海水は塩辛かったと考えられている。塩分が含まれる原因を、上記の文章を参考にして簡潔に説明せよ。
(センター試験過去問・改変)
図1は、ある海岸に近い地域の地形と地質の断面図である。A層は傾斜した泥岩層で、この地域の基盤を形成している。 B層は低地に堆積し、下部はレキ層、中部・上部はそれぞれ砂層・泥層からなり、泥層からカキの貝殻の化石を産出する。 C層は台地を構成する砂層で、アサリの化石を産出し、その基底部には生痕化石(穿孔性の二枚貝の巣穴化石)が見られる。 D層は降下火山灰層で、丘陵を覆っている。
1)以下の文章の空欄を最適の語句で埋めよ。
B層の基底面は谷状の地形をなし、A層とB層とは( 1 )関係で接している。
また、B層は地層の上位に向かって、レキ層〜砂層〜泥層と、
粒子がより( 2 )なものへと変化している。
このことは、当時の海岸線が次第に内陸に移動していったことを示すと考えられるので、
( 3 )のときの堆積物であると考えられる。
2)B層とC層が堆積したとき、この地域に急速な隆起などの地盤の変動がなかったとすれば、台地や低地の地形およびそれらを構成する地層は、主として海水面高度の変化によってつくられたと考えられる。
海水面高度の変動をもたらす要因として、最も重要なものを述べよ。また、海水面高度の変化を示す図として、最も適当なものを、以下の@〜Bのうちからひとつ選べ。
3)この地域に分布している地層A,B,C,Dについて、堆積した順序にしたがって、
古いものから新しいものへの順番に並べよ。
4)図1の断面図が表す地域として、適当なものを選び、その番号を記入せよ。
@信濃川上流部 Aエジプト・ナイル川流域 B多摩川下流部 C伊豆大島
以上
地学 2学期中間試験 F1F 解答用紙
1998.10.19(月曜)3限実施 萩谷出題
T(堆積岩の形成)
1) 2) 3) 4) 5)
A)
B)
C)
U(地層の対比)
V(示準化石と示相化石)
示準化石
・
・
示相化石
・
・
W(地球の年齢)
X(選択2題)
(解答1)
(解答2)
Y
1)1 2 3
2)海水面高度の変動要因
3)
→ → →
4)
F1F 番号 氏名 得点 .