地学 2学期期末試験問題 F1F

1998.12.14(月曜)1限実施 萩谷出題

T
 文章中の空欄に最適の語句を記入し、文章を完成させよ。なお、( 1 )〜( 5 )には最適の数字を、( あ )〜( え )には地質時代名称を、( A )〜( S )には最適の語句を記入せよ。 (60点)

 地球の歴史は、生命の歴史といってもよい。地球は、太陽系の形成とほぼ同時の約( 1 )億年前に形成されたと考えられている。 現在、地球上で最古の岩石は約40億年前のものが、また最古の海の地層には( 2 )億年前のものが見つかっており、 この中からは生物体を作っていたと思われる炭素の痕跡も見つかっている。最古の化石は約35億年前の光合成生物である( A )などの化石である。

 ( A )は光合成生物であり、その副産物として酸素を放出する。世界各地にみられる( B )という岩石は、 ( A )が生産した酸素と、海水中の鉄分が反応して、酸化鉄がチャートと共に海底に沈澱することで形成された。

 約20億年前になると、真核生物と呼ばれる生物の化石が見いだされるようになる。 真核生物はほとんどすべてがミトコンドリアや葉緑体(植物のみ)を内部にもつ。 これらは共生に由来するといわれる。このような効率的なエネルギー生成のしくみを獲得することで、 多細胞化が可能になり、生命の歴史にあらたな局面が開かれた。約10億年前には多細胞生物(動物)が現れたと考えられている。 これらの時代は地質時代の上では( あ )と呼ばれており、産出する化石が少ないことから、これまで研究があまり進んでいなかった。 しかし、近年では( あ )末期の約6億年前には、( C )などの殻を持たない多細胞生物が繁栄していたことが、化石の証拠から示されている。

 ( い )と呼ばれる時代になると、殻を持つ生物が出現し、化石となって発見される生物の種類が急速に増加する。 ( い )初期には( D )のような生物が繁栄した。( い )中期には、珊瑚礁をつくる( E )などの生物が発展した。

 大気中の酸素の増加により( F )が形成されたために、生物の上陸が可能になり、約( 3 )億年前には、 まずプシロフィトンなどの( G )が上陸していた。このころ、淡水に適応し肺呼吸を獲得した魚類の中から、ヒレを足に変え、 骨格を発達させて陸上生活に適応した両生類が現れた。( い )後期には、陸上に石炭の材料となった( G )の森林が発達し、 その森林の中で脊椎動物も発展していった。両生類の中から、より乾燥した気候に適応した( H )が現れたのもこの時期である。

 ( う )に入ると、( I )として知られる、ひとつにまとまっていた大陸が分裂をはじめた。ほぼ同じころ、( H )の中でも、 陸上で( J )が、海中では( K )や( L )が、急速に進化した。また、海では頭足類の仲間である( M )が種類を増やしていった。 中生代を通じて繁栄した( J )や( K )、( L )、( M )は、約( 4 )万年前に絶滅し、これ以後を地質時代の上では( え )と呼ぶ。

 ( え )では、脊椎動物の中では( H )にかわって( N )や( O )が繁栄し、現在に至っている。( え )は第三紀と第四紀に分けられるが、 第三紀はさらに古第三紀と新第三紀に区分される。古第三紀の代表的な示準化石は( P )があり、新第三紀の示準化石としては( Q )が有名である。 新第三紀には日本列島が大陸から分かれて、厚い火山性の地層が堆積した。この火山噴出物を主体とする地層は、一般にグリーンタフと呼ばれ、東北日本やフォッサマグナ地域に発達している。 新第三紀の後半から地球は全体として寒冷化し、( R )や針葉樹の森林が広がった。第四紀に入る頃から氷床が形成され、氷期−間氷期のサイクルが始まったと考えられている。 この時代に、特に寒冷気候に適応した( S )などの動物も現れた。我々人類の祖先は、この氷河時代を、道具や技術をもつことにより乗り切って、 約( 5 )万年前には氷期が終了し、第四紀完新世となってから急速にその数を増やし、現在の文明への道をたどるのである。

U

1)地質時代の区分の基準は、どのようにして決定されてきたか。以下の解答例の文章を参考にして、次の語句を必ず使って説明文を完成させよ。語句の順番はこの通りである必要はない。また、必要なら2回以上使用しても構わない。使用した語句には下線を引くこと。 (10点)

 対比、示準化石、放射年代、地層の新旧

解答例:(地震と断層の関係を述べる文章、地震の原因、活断層、破壊、断層の形成)  地震の原因は地下での岩石の破壊である。破壊は面的なずれとして現れるので、 断層の形成が地震の発生機構であるともいえる。地表に現れた、最近活動したか、 あるいはこれから活動するおそれのある断層を、活断層と呼ぶ。

V

以下の記述問題のうち、2つを選んで解答せよ。選んだ問題番号を最初に記すこと。(10点×2)

1)生物の進化において、有性生殖のシステムがもつ有利さを簡単に説明せよ。
(ヒント:無性生殖すなわち分裂による増殖のデメリットを説明してもよい)

2)氷河時代は地球史の中で数回しか訪れていないが、氷河が大規模に発達するにはいくつかの条件が必要だと考えられている。そのメカニズムを簡単に説明せよ。

3)過去の地球の表層環境変動の幅は、現在問題になっている地球環境問題とはスケールが比較にならないくらい大きい。例えば、温暖化問題で地球の平均気温の上昇が注目されているが、その幅はせいぜい1,2度程度である。しかし、最終氷期の地球の平均気温は、現在よりも6度以上低かったことが推定されている。にもかかわらず、人類は絶滅することなく繁栄してきた。
 では、なぜ現代の環境問題が人類にとって重要なのか。君の考えを述べよ。

W

次の設問に答えよ。

1)生物がもつ殻や骨格の役割を説明せよ。
2)石灰岩は、地球の表層環境を維持するしくみの中で重要である。その理由を説明せよ。

以上


地学 2学期期末試験 F1F 解答用紙 1998.12.14(月曜)1限実施 萩谷出題

T(地質時代)

1)______ 2)______ 3)______ 4)______ 5)______ 

あ)______ い)______ う)______ え)______ 

A)______ B)______ C)______ D)______ E)______

F)______ G)______ H)______ I)______ J)______ 

K)______ L)______ M)______ N)______ O)______ 

P)______ Q)______ R)______ S)______

U(地質時代の区分の基準)





V(選択問題)

番号____





番号____





W 1)





2)





F1F 番号____氏名____________得点____