中2A−E 地学 1学期中間試験問題
1999.5.24(月曜)3限実施 萩谷・安生出題
T
以下の設問A,Bのうち、いずれかを選んで解答せよ。解答は60字以内で記述用解答用紙に記入すること。誤字、脱字、字数が45字に満たない場合は、減点の対象になる。
A)地球内部は表面に比べて高温であるが、その熱源はどのようなものか。熱源と考えられるものひとつについて説明せよ。
B)地球の内部構造を調べるのに、地震波を用いることは有効であるが、それだけでは地球内部の物質がどのようなものであるか、推定することは難しい。では、何をどのように用いることで地球内部をつくる核やマントルを構成する物質を推定しているのか。説明せよ。
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(これ以後の解答はすべてマークシートの指定された欄に記入せよ)
U
文章中の空欄に最適の語句・数字を、語句欄の候補から選んで、その番号を記入せよ。
海面の昇降を長期間平均して得られる( 1 )は、鉛直線(重力方向)に垂直な面である。( 1 )を陸地まで延長すると、地球全体はなめらかな面で覆われる。この面を( 2 )という。( 2 )は全体として回転楕円体に近いが、重力の大きさ、向きが、地形や地下の密度分布の違いによって少しずつ異なるため、ゆるやかな凹凸を持った面となる。 ( 2 )にもっとも合うように選ばれた回転楕円体を( 3 )という。( 2 )と( 3 )との差は120m以内である。
赤道と極での重力を比べた場合、赤道の方が( 4 )。これは、赤道では地球の( 5 )による( 6 )が地球の中心とは( 7 )方向に働くことと、赤道半径と極半径を比べると、赤道半径の方が( 8 )からである。
語句欄
1)ジオイド、2)球、3)地球楕円体、4)平均海水面、5)最大潮位、6)大気圏、7)海水面、
8)大きい、9)小さい、10)同じ、11)反対の、12)公転、13)歳差運動、14)自転、
15)起電力、16)遠心力、17)精神力、18)全磁力
V
次の文章を読み、問いに答えよ。
日本の太平洋沿岸沖合では、海洋プレートがそれ
に接する大陸プレートを引きずるように沈み込み、
圧縮された大陸プレートにひずみが蓄積されている。
ひずみが限界に達すると、大陸プレートと海洋プレ
ートとの境界に断層を生じて大陸側が跳ね上がり、
ひずみエネルギーの一部が地震波として放出される。
海洋プレートの沈み込みに伴う大地震の多くはこの
ように発生し、その余震の分布する地域(余震域)
に蓄えられていたひずみエネルギーはほぼ解放され
ると考えられている。
1970年代初め、余震域を過去にさかのぼって順に地図上に描いたところ、それらは図1のように互いにほとんど重なることなく並び、長い間ひずみの解放されていない地震の空白域が浮かび上がった。この空白域には、その後1973年に根室半島沖地震が発生した。これらのことから、海洋プレートの沈み込みに伴う大地震は、それまでの空白域を埋めるように発生することがわかってきた。
北海道から西南日本にいたる太平洋岸は、地域ごとにそれぞれ数十年〜数百年の間隔で、長期にわたり繰り返しこのような大地震の被害を受けてきている。
1)問題文中の下線部のような生じ方をする断層は、一般に何と呼ばれるか。( 9 )
@正断層 A逆断層 B横ずれ断層 Cトランスフォーム断層
2)海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むことは、どのような観測事実から推定されるか。次から正しいものをひとつ選べ。( 10 )
@S波の反射 A深発地震面の存在 B地震波の影 C津波の発生
3)日本の太平洋沿岸沖合の大地震に関して述べた文として適当でないものを選べ。( 11 )
@大地震は海洋プレートが大陸プレートに沈み込んでいる場所なら、どこでも起こる可能性がある。
A日本付近の海溝沿いの大陸プレートは、海洋プレートの沈み込みによるひずみの蓄積と解放を長期にわたって繰り返している。
B地震空白域では、近い将来に海洋プレートの沈み込みに伴う大地震の発生の可能性が高い。
C大陸プレートが海洋プレートの下に沈み込んで大地震が発生している場所もある。
W
次の図は震源の浅い地震の走時曲線である。以下の問いに答えよ。
1)A,B,Cの曲線は、それぞれP波とS波
のいずれかを表している。それぞれどちらの走
時曲線か、P波は@、S波にはAをマークせよ。
A…(
12 )B…( 13 )C…( 14 )2)A,Bの曲線は震央距離が大きくなるに従
って傾きがゆるくなる。このことは、地下深く
ほど地震波速度がどうなることを示しているの
か。
以下から選べ。( 15 )@大きくなる A小さくなる B変わらない
3)Dの領域を何と呼ぶか。
( 16 )@S波の影 AP波の影 B月の影 C隕石の影
4)このグラフから、地球の核(外核)全体でのP波速度は、マントル最下部に比べてどうなると読みとれるか。(
17 )@大きくなる A小さくなる B変わらない Cこのグラフからは読みとれない
X
アイソスタシーに関連して、以下のA,Bに答えよ。
A)右図のように標高
6kmの山地の地殻の厚さを60kmとし、その下部での圧力がどこも等しく保たれていると
して次の問いに答えよ。ただし、マントルの密度
3.3g/cm3、地殻の密度
2.8g/cm3、海水の密度1.0g/cm3とする。陸地の平均の高さを
1kmとし、その部分の地殻の厚さを求めよ。数値は四捨五入して整数値をそのまま答えよ。
(例:
31kmであれば、合計が31になるように、20と10と1にマークする。)( 18 )B)ある地域では、最近約1万年の間に、氷床の消失によって最高
300mもの隆起が起こっていることが知られている。このことから、当時の氷床の厚さは少なくとも何mあったか。以下から選べ。( 19 )@
110m A550m B1100m C3000mY
1)地球の形状を精密に決定する方法として最適なものを、3個選んでその番号をマークせよ。
(
20 )( 21 )( 22 )@地球上の岩石の分布をしらべる。
A地震波の伝わり方をしらべる。
B地球上のおおくの地点で重力をしらべる。
C地球上のおおくの地点で地磁気をしらべる。
D地球を回る人工衛星の運動をしらべる。
E地球上の同一子午線上の2地点の緯度とその2地点間の距離をしらべる。
F地球の公転軌道のかたちをしらべる。
2)次の説明の文章で、正しいものには1を、誤りのあるものには2をマークせよ。
(
23 )北磁極はS極側にある。(
24 )磁極の位置と、北極・南極の位置は一致する。(
25 )日本付近の偏角は、東に5〜10度である。(
26 )磁石のN極は、日本では北向き、水平面より上の方向をさす。(
27 )地磁気のN,Sの向きは、長い時間スケールでは逆転することがある。(
28 )過去の地層や岩石に残った地磁気の記録から、大陸移動が復元できることがある。(
29 )全磁力は、水平分力と偏角、伏角に分けて考えることができる。(
30 )偏角は、その土地の地質の影響を受けない。3)S波について記述した次の文のうち正しいものはどれか。
( 31 )@物質のずれやねじれを伝える横波である。A物質のずれやねじれを伝える縦波である。
B物質ののびやちぢみを伝える横波である。C物質ののびやちぢみを伝える縦波である。
4)マントルや核を作る物質の高圧下での融点がわかれば、地球内部の温度分布を推定することができる。地球内部の物質の融点と温度を示す図として最も適当なものはどれか。
(
32 )
5)地震の規模はマグニチュード(M)で表される。マグニチュードが1増えると地震のエネルギーは約32倍に増える。M8.0の地震が放出するエネルギーは、M6.0の地震が放出するエネルギーのほぼ何倍になるか。
( 33 )@
32倍 A64倍 B100倍 C1000倍6)北緯36度にある、つくば市のある地点から赤道への最短距離を精密な地図で求めた。正しい値はどれに最も近いと考えられるか。
( 34 )@
1000km A2000km B4000km C6000km7)右の表は地殻とマントルの化学組成を
質量パーセントで示したものである。
ア)空欄に当てはまる酸化物を選べ。
(
35 )〜( 37 )@
P2O5 AMgO BCaO CTiO2D
Al2O3 ESiO2 FCO2 GH2Oイ)A,Bのどちらがマントルの化学組成
を表しているか。
A…マントルの場合は@を、B…マントルならAをマークせよ。
( 38 )ウ)地殻・マントルにはそれほど多くないが、核の化学組成の大部分を占める元素と考えられているものはどれか。
( 39 )@酸素 A鉄 B硫黄 C鉛
エ)固体地球の層構造をつくっている物質の違いを生じた理由として、それぞれの物質のどのような性質の違いが最も重要であると考えられるか。
( 40 )@電気伝導度 A硬度 B融点 C密度 D地震波速度
以上。
記述用解答用紙 中2地学 1学期中間試験(安生・萩谷)
問題
l l l l
5 l l l l 10 l l l l 15
l l l l
20 l l l l 25 l l l l 30
l l l l
35 l l l l 40 l l l l 45
l l l l
50 l l l l 55 l l l l 60
(下書き用スペース)
中2 組 番号 氏名 得点 .