高校時代の思い出

 母校である水戸一高は、旧制水戸中学を前身として、茨城県内ではもっとも起源の古い高校でした。 制服は昭和40年代に廃止され、主な学校行事は生徒の実行委員会により運営され、高3は完全選択制のカリキュラムを組むなど、 伝統と称する古い体質と自由で進歩的な校風が共存することが特色です。 1昼夜をかけて70数キロを歩き、競争で走る、”歩く会”をはじめとした、特色ある行事の数々など、 誇りに思えるところがたくさんありました。卒業生にも一風変わった人が多いようです。

 僕自身は、入学当初、公立中学校の息苦しい生活から解放されて、天国のように思えた時期があります。 1年、2年と、仲間と映画を作ったり、無線部で活動したり、地学同好会を組織したり、論文を書いたり、 必修クラブでの園芸:花壇の整備や桜の枝切り、畑つくり、そして生徒会に首を突っ込んだりと、 学校生活を(主に課外活動で)満喫しました。しかし高3になると、 尊敬する先生が退職・転勤されたりしたこともあり、だんだん物足りなく感じられるようになりました。

 自分の母校の校風を誇りに思う反面、なんとなく抵抗を感じる部分もあります。水中一高会など、 OBの組織が強固で、茨城県庁や学校教員、地方銀行や地元大企業の中で、 水戸一高出身者の閥ができている、という話を聞くと、ある程度仕方がないこととはいえ、何だかなあ、 と思います。

 僕は個人的に、地元に戻りたくないと思っています。 いや、戻りたいとしても、受け入れてくれる先がないのですが…。


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