ビーチロック


 熱帯・亜熱帯の海岸では、砂やレキのすきまに炭酸カルシウムが沈殿し、非常に急速に岩石の固結が進むことがあります。このようにしてできた岩石をビーチロックといいます。

 フィジー諸島ママヌザ諸島・マナ島サンセットビーチのビーチロック。厚さ20cmほどの石灰質粗粒砂岩の層が海岸を覆うかたちになっている。島を作る地層本体ではなく現世の堆積物である。

 海側に緩く傾斜した板のような構造で、表面は淡い黒緑色で、藻類かシアノバクテリアが覆っているようだ。干潮時に干上がり、高塩分濃度の間隙水にさらされることを考えると、シアノバクテリアではないかと思うが、未確認。

 2005年8月上旬の調査。同行したO氏と地球科学研究室の卒論学生Nさん。スケールとしてO氏が約170cm

 割れてひっくり返ったビーチロックの裏側。光が当たらないところには藻類?が生えていない。貝殻片が見えて、石灰質の砂が固まったことがわかる。

 ビーチロック断面。厚みは20cmほど。

 マナ島ノースビーチにて。従業員村の前の海岸で、ビーチロック中に煉瓦片のような人工物がとりこまれているのがわかる。非常に速い速度で形成されている証拠。


石からわかること

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