地学で扱う内容には、面白いことがたくさんあります。
大昔にはどんな化石生物がいたのだろう。奇妙な化石生物が見つかったり、恐竜がこの地球に住んでいた時代もあったのですね。日本からもたくさん恐竜の化石が出ているらしい。そんな、太古の世界にロマンを感じる人もいるでしょう。
大陸が移動する。そして、大陸どうしの衝突で、ヒマラヤやアルプスのような巨大な山脈をつくるらしい。そういうことがよくわかってきたのは、1960年以降のことです。海底の大山脈の存在や、プレートの運動のことがわかってきたのもつい最近のことです。そんな、ダイナミックな地球の動きに魅せられる人もいます。
地震はどうして起きるのか、また火山の噴火のメカニズム、あるいは土砂崩れや土石流の起きやすいところには理由があるのか、そういった自然災害について関心を持つ人もいるでしょう。そのような知識の基礎も地学で学ぶことになります。
広大な宇宙にはどんな天体があるのか。宇宙の果てに何があるのか、太陽系の他の惑星に生命の存在する可能性はあるのか。そういう疑問にはすぐには答えられませんが、でも疑問を解決する手がかりを得ることはできると思います。
地面の下はどうなっているのだろう、明日の天気はどうなるのだろう。降った雨の水はどこまでしみこむのだろう。そのような身近な疑問に答えられるようになることも、目標のひとつです。
地球環境問題や、より地域的な意味での公害や汚染の問題を通して、人間の産業活動と自然との関わりのありかたを、学び考えることも必要になるでしょう。
これらの項目のどれに面白さを感じるかは、ひとによって当然異なると思いますが、それはそれでいいと思います。面白いところからつまんでいって欲しいと思います。ある項目がよくわかってくると、地学で扱う他の項目を知りたくなる。自然にそうなると思いますし、それが地学の良さだと思います。
これからの時代を担う人々には、地学で扱うことをよく学んで欲しいと思います。正しい知識を身につけることで、不正確な報道や言説に惑わされずにずみます。必要な情報を、それもなるべく二次情報ではなく一次情報を集めて、自分で判断する力を身につけてほしいと願っています。