那珂湊の白亜紀層と化石

1998.4.29 地形図:1:25000「那珂湊」



 水戸の東、阿武隈の南に太平洋に突き出して岩礁地帯が続きますが、ここは那珂湊層と呼ばれる、 白亜紀の砂岩互層を主とする地層が分布するところです。
 ここは珍しい異常巻(立体巻き)アンモナイトが産出することで有名です。化石や岩相の特徴が共通することから、 西南日本の和泉砂岩の延長であると考えられています。日本列島の地体構造を考える上でも興味深いものです。
 立体巻アンモナイト(デディモセラスなど)は、なかなか見ることができませんが、棒状のアンモナイト(バキュリーテス)であれば、 比較的簡単に観察できます。

 那珂湊層の岩礁の風景。平磯〜磯崎。

 那珂湊層の砂岩。タービダイトを主体とする。北に傾斜するが、部分的に逆転するところがあり、 スランピング(海底地滑りによる変形)と考えられている。

 シルト岩の露頭に見られる、棒状アンモナイト(Baculites sp. バキュリテス)の化石。
 ペンの太さ1cm。

 化石部分拡大。つぶれているが、石灰質の薄い殻で、長い筒状の構造を持っていることがわかる。

 転石に見られる化石の破片。おそらくバキュリテス。 写真の横幅3cm。

 生痕化石。サンドパイプ(巣穴)の断面だと思うが。露頭で観察できる。

 車はここに置けます。磯崎の手前の海岸道路。バスは1時間に1本。 毎時45分頃に那珂湊方面、15分頃に阿字ヶ浦方面。

那珂湊の案内その2

巡検案内

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1998.4.29 H.Hagiya