海洋底の年代分布

*海底の大山脈・海嶺の発見
 第二次大戦後、海洋底の研究が進み、大洋底には海嶺と呼ばれる幅2000km、高さ4kmほどの大山脈があり、それが地球をとりまいていることがわかった。海嶺の中心部には中軸谷と呼ばれる幅50kmほどの溝が走っていて、その周辺では小規模な海底地震が多いこともわかってきた。また、熱水活動や火山活動も発見され、海嶺は地球の中で活発な活動を起こしている場所であることがわかってきた。

*テープレコーダーモデル
 地球磁場は、およそ数十万年の単位で、NとSの方向が北極と南極とで入れ替わるという変化をしていることがわかっている。海嶺の周辺で、海底に記録された地球磁場の向きを調べると、海嶺軸を対称の軸として、正逆の模様が同じパターンを示し、左右に広がっていることがわかった。このことから、海嶺は新しい海底が生まれ、左右にそれが拡大していく場所ではないかと考えられた。

*プレート・テクトニクス
 大陸上での地球磁場の記録から大陸の移動を復元する試みなどにより、過去数億年の大陸の移動が明らかになり、その移動のしくみが海洋底拡大と結びついて、プレートテクトニクスという考え方が生まれた。海嶺で作られた海洋プレートは、側方に移動していき、冷えて厚く、重くなり、海底の水深が増していく。そして海溝を通って地球内部に沈み込んで消滅すると考えられている。

*海洋底の年代
 プレートが海嶺でつくられ、ひろがって移動していく過程で、海洋底にはさまざまな堆積物が積み重なっていく。それはプレートのたどった履歴を記録しているものであり、海洋底を掘削して得られたボーリングコアから、過去の地球環境や事件など、さまざまな情報が得られている。
 日本付近の太平洋プレートは、白亜紀からジュラ紀に形成された、世界でも非常に古いプレートの部分のひとつである。冷えて厚い(〜150km)プレートになっているため、地震波を伝えやすいなどの特徴がある。

 −「理科年表ジュニア」第二版、丸善(2003)所収原稿を改変。


地球という星       次のページへ進む

indexに戻る

 萩谷 宏 2003.3