古地理図の読み方
2000.7.9 (途中)
地質時代を通じた、大陸配置の復元図を見ると、大陸のかたちそのものが、 地質時代を通じて大きく変化しているように見えます。
(図)
大陸のかたちが変化するのは、大陸そのものの変化(隆起・沈降を含めて)の他に、 海水面変動による、見かけ上の変化があります。
大陸のかたちを海岸線で示すと、海面の上昇や低下にともなって、海岸線が内陸に移動したり、
沖合に移動したりします。
そのため、平坦な地形が広がっている地域では、海水面変動によって、
みかけの大陸のかたちが大きく変わります。
地球史的には、海洋底の凸凹の変化によって、海水面の高さは数100m程度、
上下しています。(数万年単位の、氷河の消長による変動とは別の、もっと長い周期の変動です。)
一般に、大陸が分裂を開始しているときは海水面が高く、
大陸内部に海が入り込んだかたちになっていることが多いです。
現在は、氷河の効果もあって、海水面は地球史の中では比較的低い位置にあるといえるようです。
多くの大陸配置の復元図では、このことを説明せずに、海岸線の変化としてのみ、 大陸のかたちを表現しています。
海から顔を出した部分の変化であって、大陸そのものは変化していない場合が多いことを注意してください。
*萩谷 宏 nifty fsci mes5 [地球科学] 発言#10975 (00/7/6) の一部に加筆、修正。