出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(6/19火曜1限・土木)

*黄河の大きさは日本にないものだと思った。

そうですね。土砂の供給だけなら、日本の川も規模の割にかなり多いのですが、黄河の場合は、黄土高原という供給源があることが重要で、それは過去250万年あまりのあいだに、西方の砂漠地域から風で運ばれてきた堆積物であるわけです。つまり、氷期に風で運ばれた黄土の蓄積があって、あれだけの砕屑物供給が実現していると考えていいのかもしれません。そうしてみると、やはり大陸ならではの現象ですね。

*川が土砂を運びそこに緑をつくる。川が土砂を運ばなくなったら緑ができなくなるだろう。

 そうかもしれませんが、土砂を運び去られる側でも、土壌浸食によって緑がなくなり、砂漠化するという問題を抱えた場所もありますね。

*アイソスタシーとは何か

 →これは授業で。

*ミネラルなどの成分を含んだ水は、人間がつくることが可能か?

 可能ですが、つくるのはけっこう面倒です。機能性飲料とか、スポーツドリンク、輸液などがそれにあたります。

*海水の塩分濃度は増加しているのではないか

 一方では、海水が干上がっているところもあり、海底の岩石との反応もあって、塩分が取り去られることもあり、それが河川による塩分の流入とつり合っているものと推定されています。

*ミネラルを含んだ岩石はなくならないのか。

 例えば、花崗岩に含まれるナトリウムやカルシウムは2%5%くらいですが、水に含まれるのは数十ppmですので、岩石に対して水では1000倍程度に薄められています。確かに岩石は風化で壊されていくのですが、世界的な平均をとって年間1000mmの降水量があるとして、その土地の岩石や土壌の1mm分を壊していく計算になります。このペースで風化が進行すれば、1000年で1mです。実際には、ミネラルを多く含むような地下水になるのは、降水のごく一部なので、岩石の風化もこれよりかなり少なくなり、多くの場所では、たぶん、さらにその1/100以下です。(アフリカで1億年に200mという浸食速度の推定があったと思います。)というわけで、岩石がなくなる心配はしなくていいでしょう。もうひとつは、風化で壊される岩石がある一方、マグマの固結や地層の堆積などで、新たにつくられる岩石もあるので、それがつり合っていればよろしい。

*荒川も土砂を運ぶのか?

 運んでいるから、荒川沿いの低地ができた(埋め立てられた)のではないでしょうか。土砂を運ぶのは、洪水の時ですから、ふだんの川で土砂が移動するのをみることはありません。

*東京湾も土砂で埋め立てられているのか?

 埋め立てられています。江戸時代の地図と比べるとよくわかります。日比谷も、中世までは入り江だったそうです。東京湾が狭くなっているのは、人間がゴミで埋め立てているからだけではありません。

*雪解け水が大量に地下に流れ込んで、地盤がゆるくなって崩れるということはないか?

 VTRで見せた富士山では、そういうことはないと思いますが、新潟など、豪雪地帯で地質が軟らかい、第三紀の地層でできているところでは、実際に地滑り災害があります。調べてみてください。

*地球の気候を変えてしまった人工物はあるか。

 二酸化炭素がもっとも有名ですが、フロンや、メタンも温室効果ガスであり、その影響も問題です。ただ、二酸化炭素以外は影響の評価が難しいようですね。

*動物プランクトン、植物プランクトンのかたちがとても機能的だ

 そうですね。かたちには理由があり、自然界には無駄がない、ということを感じさせられます。

*水は腐るのか?

 水が「腐る」とはどういうことですか?

*ミネラルウォーターの銘柄はあまり関係ないことを知ってよかった

 それはよかったです。ミネラルが必要なら野菜を食べましょう。

*隅田川が氾濫したら、どのくらいの被害になるか?

わかりません。被害予測は行政の仕事なのですが、被害予測地図の作成は、特に観光地などでは、住民に抵抗があるといわれます。区役所に聞けば、過去の水害や予測の資料はあると思います。ところで、葛飾区郷土と天文の博物館には行ったことがありますか?

*ダムにも栄養がたまるのか

 富栄養化ということでしたら、あるようです。夏にアオコが繁殖してしまう場合があるようです。

*アジのたたきって何ですか?アジはたたけるのですか?

 ご両親か、魚屋さんに尋ねてください。スーパーの魚売り場でも可。(僕が朝食に、昨夜閉店前の値引きで半額になった、\350のアジのたたきをフライパンで加熱して、それだけ食べたという話から。冷蔵庫がない話もした。)

*天然水に含まれる成分は、カルシウム、ミネラルの他にどんなものがあるのか?地方によって質・量の差があるのか?

 カルシウムイオンはミネラルと呼んでいる溶存成分の一部です。カルシウムイオン以外に、ナトリウム、マグネシウムなどのイオンが主要なものです。地方による差は大いにあります。自分でミネラルウォーターの成分表示を比較してみてください。

*黄河で土を流したら上流の方の山は崩れてしまうのでは?

 上流ではなく中流域ですが、VTRや写真で見たように、実際、崩れています。黄土高原の表土流出は、人間による影響も考えられますが、深刻なものになりつつあるようです。

*陸のできかたをもっと詳しく知りたかった

 僕の専門に近いので、時間があれば後でやりましょう。

*黄河下流の土質は、あれだけもろいと利用しにくいのではないか?

 利用とは、どのような利用を想定しているのですか? 農業生産には貢献していると思いますが。

*植物プランクトンの栄養は光合成ですか?

 栄養の定義が問題です。光合成による有機物生産は重要ですが、窒素やリンなどの肥料に含まれる成分、あるいはミネラルと呼ばれる無機塩類も供給されないと、植物プランクトンは増殖できません。

*地下水として流れる水によって、なぜ地中は削られないのか?

 物理的風化は進みにくいですが、化学的風化は進行する場合があります。鍾乳洞はどのようにしてできると思いますか?

*黄河の水の色があそこまで黄色いとは・・・

 そうですね。余談ですが、黄色の原因は、微量の鉄イオン(三価)に由来するようです。砂漠の砂が赤いのも同じです。鉄イオンは微量でも着色原因になります。赤と黄色の違いの原因は、鉄イオンの量の違いだったり、粘土鉱物に取り込まれた状態の違いによるなどのようです。

*黄河の水が澄むことはないのか?源流も濁っているのか?

 チベット高原の源流は、VTRで見たように、澄んでいます。下流域では、途中の河原にも黄河が運んでいく途中の黄土の堆積がありますので、澄むことはないでしょうね。

*ミネラルは岩石からとれるのかと思った

 もともとは岩石からです。岩石をつくる鉱物が分解されるときに、吐き出された金属イオンが水に運ばれます。

*ふんはどうなんですか?

 ふんの何を答えればよいのですか?

*温度の低い海ではプランクトンは少ないのですか?

 逆です。むしろ、温度の低い海の方が植物プランクトンは多いです。温度が低い海では、深層の栄養塩の多い海水と混合が起きやすいこと、あるいは深層水が直接上がってきているところであるということがあります。消費者に関していえば、低温の海水の方が、溶存酸素量が多いということも重要かもしれません。

*プランクトンは食べられますか?

 食べられるものもあります。南極海のオキアミなどは、えびせんの材料になったりしているみたいですね。ところで、プランクトンは小さいものだと考えていますか? プランクトンの定義を調べてみてください。クラゲも、ある意味ではマンボウも、プランクトンといえます。

*どの世界も強いものが弱いものを食うことがわかった

 強い、弱いの定義はどういうものですか? 例えばシャチの胃の中に寄生しているアニサキスは、最強ということにはなりませんか?

*冷蔵庫は買った方が・・・

 買った方がいいとは思うのですが、なくてもやっていけるので、決心がつきません。

*アマゾンは長い

 長いのは確かですか、膨大な数の支流があって、規模の大きさには圧倒されますね。

*おいしい水を飲みたい

 水道水のことですか? 水道は自治体単位で整備しているので、地方の自治体では、わき水や地下水を滅菌して、そのまま水道管で給水しているところがあります。そういうところに住めるといいですね。

*食物連鎖の中で海の生物がつながっていることを知り、感動した

*食物連鎖はすごい

 すごいですね。自然界は、リサイクル完備ですしね。

*ミネラルウォーターも実はすごいものだったのですね

 商品化されたミネラルウォーターがすごいのではなく、「水」がすごいのです。水道の水だって同じです。塩素殺菌されていないのがミネラルウォーターの取り柄。宣伝にだまされてはいけません。ところで、君は僕の講義を聞いていたのですか?

*日本のダムの中で一番大きなダムは?

 自分で地理の資料集などを調べてみてください。

*光合成を実験室で行おうとすると超巨大な装置が必要だと聞いたような気がするが

 わかりません。その分野の勉強をしていないので。太陽電池を使って、その電流で化学反応を起こさせるというシステムでしょうか。可能かもしれませんが、効率の点では生体システムにはかなわないでしょう。

*アマゾンの川の量はすごいけど、あそこに住みたくない。わき水がきれいだった。

 増水で何ヶ月も水浸しになるとたいへんそうですね。北杜夫「輝ける蒼き空の下で」は読みましたか?

*人間がインコのように土を食べてミネラルを摂取できるか?

 原理的には可能ですが、雑食性の人間には食物から充分摂取できるので、ふつうは必要ないでしょう。

*水に土を加えておいたらミネラルウォーターになるか?

 ごくわずかには溶け出しますが、効率は悪そうですね。多くの岩石と接触し、反応することが重要ですし、実際に風化が起きるときは、土壌有機物の影響が大きいようですので。

*黄河が流れを変えるときには、どのように変わっていくのか?

 わかりません。ですが、流路を変えるのは、洪水の時だと思って間違いないでしょう。

*富士山の噴火の際に地震はあるか。あるとすればマグニチュードはどれくらいか。

 マグマが上昇する際に、周囲の岩石を押し広げ、壊しながら上昇するので、火山性地震は起きるでしょう。マグニチュードはわかりませんが、最大でM6クラスではないでしょうか。

*ハワイ諸島は本当に日本にくっつくのか

 前回の解説では不足ですか?

*これからの日本の河川はどうなっていくのか

 僕にはわかりませんが、君たちがどうするか、という問題だと思います。どのような状況が望ましいと思いますか。そのためにはどうしたらいいのでしょう?

*日本が小さいと改めて実感した

 大陸に比べると小さいですね。でも、起伏と変化に富み、動植物や地質・地形などの自然は面白いところだと感じます。もっと、日本が面白いところだということを実感してもらいたいし、そのためにも、自分で大陸を見て感じて考えて欲しい気がします。

 

出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(6/19火曜2限・建築)

*兵庫県芦屋市の芦屋川がつくる天井川は、人工的なものではなく、自然のものか?

 地理学出身の方に聞いたのですが、「国土地理院の125000土地条件図 大阪西北部」を見たらどうか、というアドバイスをいただきました。それと、地図の変遷を見るのがいいだろうということですが。それから、芦屋市の市史には記載されていませんか。

*海の食物連鎖は弱肉強食の陸の食物連鎖と共通点があると思った。

 「弱肉強食」というのは、誤解されやすい気がするのですが、食物連鎖が共通なのは認めます。

*プランクトンの増殖が気持ち悪かった

*植物プランクトンの分裂の様子がとても面白い

 同じものを見ても、人によって、感じ方はさまざまだということですね。

*水の「硬い」「軟らかい」というのは何が「硬く」何が「軟らかい」のか?

 コンピュータのハードウェアとソフトウェアは、どうして「ハード」と「ソフト」なのですか?

*どうしてアマゾン川や黄河はジグザグしているのか?

 川の蛇行のことですね。河川は砕屑物を運搬し、流れの遅くなったところに堆積させるとともに、流れの速いところでは逆に川岸を浸食します。川がカーブを描いていると、その外側は流れが速く、削られていくのに対して、内側は流速が遅く、堆積が進行する。こうして川のカーブはどんどん大きくなるわけです。特に、土地全体の傾斜がゆるい大陸の河川では、川底よりもこのような側方の浸食と堆積が進行しやすいといえます。

*アマゾンでまだ発見されていない動物が気になった

 どういう動物のことですか? 昆虫などは、いくらでも新発見の種が出るそうですね。

*エクソン・モービルはブッシュ大統領に献金をやめろと言いたい!

 献金するのは構わないが、自社の利益のために地球全体に影響を及ぼす…害を与える政策をとらせるような圧力をかける企業は悪質だと思います。そのような企業があれば、その企業の製品をみんなで買わないというのもひとつの対抗策です。さて、日本の企業はどうでしょうか?

*地球から水がわき出てくるのを見てほんとすごいと思った。

 「地球から」というのが引っかかりますが…。あれは数十年前に雨として降った水が、地下の溶岩層の隙間を通ってゆっくり移動し、川底でわき出ているわけで、地球の深いところから出ているわけではありません。念のため。

*酸性雨の影響でアジサイの色が最近青色が多くなったというのは本当か?

 どうなんでしょうね。僕にはよくわかりませんが、アジサイの花の色はアルミニウムイオンが関係していて、土壌の酸性・アルカリ性によって影響を受けて、色が変わるとは聞きます。調べてみます。

*イワシの口の開け方がかわいい

 彼らも必死で食べて、生きているということですね。焼き魚で見ていると、あんなに口を開けている姿は想像しにくいのですが。

*環太平洋造山帯は何であんなにキレイに並んでいるのか

太平洋のプレートは、周囲のプレートの下に沈み込んでいて、太平洋自体が狭まる傾向にあるので、沈み込み帯が太平洋の周囲を取りまくようにできています。キレイに並んでいるのは理屈通りであるということで、むしろ、キレイに並ばない部分があれば、それはどうしてか、追求する余地があって面白いですね。

*海水を蒸発させて得た塩をなめている映像で、しょっぱいと感じていなかったのはなぜ?

 再放送(7/4早朝2:50-3:20)で確認して欲しいのですが、スタジオでさくら嬢が指を使ってなめたのは、ミネラルウォーターを蒸発させた残留物です。海水ではありません。

*パンチョリーナ!!(同様一通)

 どういう意味があるのか悩んで、webで調べたのですが、ハイロウズなるグループの曲のようですね。青春を謳歌するのはけっこうですが、他の場所でやってください。

*「黄河の元になっている土地」の土砂はどこから来たのか?

 講義中に説明したように、より西方のゴビ〜タクラマカン砂漠地域から、風で運ばれてきたものが黄土高原を作り、それが削られたものが黄河によって運ばれています。図を見ると話が早いので、これはwebの参考図集をご覧ください。→http://www.chemie.org/geo/

*人間が本当に動物として生きるにはどうしたらよいか

 電気もガスも水道もない、狩猟と採取の生活に戻るわけにもいかないので、本来の意味で生態系の中に戻ることは難しいですね。ただ、生態系や地球のしくみをよく知ることで、それらを乱さないように、文明生活とうまく折り合いをつけていく方法を編み出すことはできるはずです。だからこそ、僕らは地球を学ぶ必要があるのだと思っています。

*恐竜が進化して全滅していったように、人間も全滅し、別の生物が繁栄するのではないか?

 まあ、長い時間スケール(数百万年単位)ではそういうことになるかと思います。

*今、人間の進化はピークだと思います。これから進化するとすれば、どのように進化するでしょうか?

 ピークかどうかはわかりません。心情的にはピークだと思いたい、というのはありますが。これからについては、わかりません。脊椎動物学者の友人も、よくわからんと言っていました。いろいろ想像することはできますが。

*川で泳ぎたくなりました

 川で泳げるというのは、豊かな環境なのでしょうね。事故に遭わぬよう、充分に気をつけて。

*海面近くから下の方へ向かう有機物や動物プランクトンは、湧昇流や深層海流の流れに妨げられて、海底まで行けないことはないのか。

 どうでしょう。落下速度と湧昇速度のかねあいですが、たぶん、落下速度の方がかなり速いのではないかと思います。良い質問です。

*なぜ水不足になるのか

*世界的に水不足になるのか

 地球に水は多いのですが、淡水というか、表面の真水の量はそのごく一部で、その上、短期間に流れていってしまう(アマゾンは例外)ので、利用が難しいのです。もうひとつは、水を必要とする大都市と、ダムが建設できるなど、水を供給できる土地が、うまくつながっているかという問題があります。陸地の面積の1/3は、砂漠あるいは乾燥地域です。水が豊富な場所は限られています。

*アマゾンには生物が一番いると言っていたけど、映像中でアマゾン川で遊んでいたこどもには影響はないのか?

 画面で紹介していたのは流域の村で、水位が上昇したために水浸しになっていただけで、アマゾン本流ではありません。もちろん、魚などはいると思いますが。飢えたピラニアだらけというわけではなさそうです。

*黄河の移動による被害はないのか

 あったと思いますが、記録を僕は知りません。

*黄河によってできた大陸は地震に強いのか

 大陸というのは、厚さ平均35kmの地殻があって成り立つので、川が削ったり運んだりする土砂の、表面の1km以下の起伏は、大陸にとってはほとんど影響ありません。地震に関しては、地下水面の高さにもよっては地震に弱いことも考えられます。ただ、安定大陸なので、地震が少ないからふつうは問題はなさそうですね。

*「日本の研究者が、数日の間に名古屋以西で芸予地震規模の地震が起きると予想したらしい」というメールをもらったが、これについてどう思うか?

 岡山理科大のグループですね。はっきり言って、科学的根拠はないようです。「富士山大爆発」「ノストラダムスの恐怖の大王」と同レベルでは。(外れた後、不安をあおって本を売り、儲けた連中は謝罪しましたかね?)こういう似非科学の問題は、授業で扱いたいと思っています。

*ミネラルを含む水はカラダに良いのか?補給すると寿命が延びたりするのか?

 カラダに良いと言ってもウソにはならないのですが、健康のためにはあまり本質的ではないですね。むしろ、野菜を食べたり、健全な食生活をすることの方が重要です。野菜の方がはるかにミネラルは多いです。だって、生物が必要とする物質を自分で濃縮しているわけですから。

*海水はなぜしょっぱいのか?

 海水をしょっぱく感じるようにわれわれの味覚ができているから・・・ではだめですか。塩化物イオン、ナトリウムイオンが多いことに関しては、それらが化合物をつくりにくく、生物の殻などにも利用されないため、海水から除去されにくいからだと言えます。

*地球ができたときに海もできたのか?

 最近、44億年前の鉱物が見つかって、それが間接的に海の存在を示唆しているので、地球誕生後1億年ほどで海ができていた可能性は高いようですね。

*植物プランクトンがなくなったら、地球のほとんどの生き物が絶滅しますね

 海に関してはそうかもしれません。でも、「植物」ではないプランクトンで、光合成をするもっと原始的な生物であるシアノバクテリアがいますので、それさえいれば意外と問題は少ないかもしれません。

*海でも陸でも、生物の形や色彩はまさに神秘

 そうですね。余談ですが、恐竜の色彩を復元しようという作業は、面白いですがとても難しそうです。

*この夏、日本は本当に水不足になるのか?

 わかりません。僕は、気象庁の長期予報を聞いて、その逆を授業で言って、けっこう当てた経験があります。

*特に質問がないので先生に休んでもらおうという意味で何も書きません。

 そう言われると、何か書きたくなるのが人情というものです。お気持ちはうれしいですが、そう言う場合、こんどからは白紙でお願いします。

*プランクトンの形がかわいい。スケルトンだし。

 スケルトン! そうかもしれませんね。たしかにとげなどは骨格ですから。

*植物プランクトンの不思議な形が水の抵抗を大きくするためだというのが面白い

 面白いですね。かたちには理由があるのですね。建築屋さんは、やはり形に目がいくようですね。

*アマゾンの植物が作っていた雲は光をさえぎって植物の生長の妨げにならないのか?

 停滞すれば問題ですが、雲は移動しますので、問題ないでしょう。面白い質問です。

*趣旨がずれてもいいので、アポロ17号が見たいです。

 この回答を書くのに疲れ果てて、授業をする気力がなくなっているので、たぶん今回はアポロ15号のVTR(「人類、月に立つ(10)」)を見せることになるでしょう。

*ミネラルって何ですか?

 土木工学科での回答を見てください。風化作用で鉱物が分解するときに水に溶け出した、各種の陽イオン(金属イオン)のことです。ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどが主な成分で、特にカルシウムの量が水の性質に影響を与えます。

*黄河の流れによって作られた土地は、砂漠の細かい土で、農作などは難しいのでは?

 細かい土はむしろ耕作に向いているのでは。ナイル川もそうですよね。実際に華北平原は穀倉地帯ではないでしょうか? むしろ、水の供給が農作物の生産性に大きな影響を与えるように思います。

*ヨーロッパの水を直に飲むと腹をこわすというのは、アノカルシウムのせいなんですか?

 はい。多くの場合、アノカルシウムのせいだと思います。ヨーロッパの多くの土地では、石灰岩の分布が広いのと、地下水の滞留時間が長いことで、カルシウムを多く含んでいる水が飲用にされているようです。

*アマゾンで生活できるものならしてみたい

 人はたくさん住んでいますから、生活はできると思います。やってみますか?

*なぜ深海魚は進化しないのでしょうね?

 深海魚は本当に進化しないのですか? 特殊な環境に適応しただけだと思いますが。

*進化論で物事を考えると、うまくいっているような気もするけれど、けっこうきつい環境で生きているのも多いと思う。

 厳しい環境で生きているのは、それなりのメリットがあるのでしょうね。

*おいしいサンマが食べられる日本に生まれ育って幸せいっぱいです。

 外国に行くとそう思います。

*板書でVTRの重要な部分を書いて欲しい。VTRは耳と目と手とを使って、しかも映像が早く通り過ぎてしまうから。

 はい。すみませんでした。今後努力します。