出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(7/10火曜1限・土木)
(海面変動と沖積低地の形成、液状化や地盤沈下のメカニズムの説明。NHKジュニアスペシャル#15「地球と共に歩んで」を視聴。)
*なぜ、「今から何万年は、どうだった、あーだった」と断定できてしまうのか?
たくさんの研究の積み重ねがあって、過去の地質時代にどんなことがあったのか、いろいろなことがわかってきました。特に、放射性同位体を使った年代測定ができるようになって、それらの地質学的な事件に、数字の目盛りを入れられるようになったわけですが、それは最近50年ほどの進歩です。断定してしまうのは、番組の都合で回りくどい表現を減らすためでもあるのですが、本当はそれはよくないことです。いろいろな証拠から研究者が推定しているのだけど、新しい証拠が見つかると、ひっくり返ってしまうこともよくあります。
*自然もすごいけれど、人間もその自然のつくったエネルギーを作って生活してきた。とてもすごいと思った。しかしその貴重な自然を大切にしていくべきだと思った。
そうですね。どのように大切にしていくのか、そこに人類の知恵が問われると思います。ただ保護すればいいのか、そこに済む人々の生活とのバランスも大切です。
*水車は何の役に立っているのですか? くるくる回っているだけのような…
例えば、小麦を収穫しても、パンを作るのには小麦粉にしなくてはいけないけれど、それを水車の力で臼をひいて作るわけです。日本でもあったようですよ。ひいて作るわけです。日本でもあったようですよ。「さいたま川の博物館」(寄居町)では、昔使われた、荒川に浮かべた船に取り付けた水車が展示してありました。
*テストはどのような形式でするのか、HP上に例題みたいなものをのせてほしいです。
出題の要点は講義中に説明しました。どんな形式で出題されても、要点がわかっていれば解答できるはずです。確かに、今年は過去問がないから、対策が立てにくいだろうと思いますが、そのくらいは自分で頭を絞ってもいいのではないでしょうか。
*土木としては、地質の話や、資源の話に、興味を持つべきなのだろうが、私は、初めの方にやった恐竜や、古代生物の話の方がおもしろかった。これからも興味を持って勉強していきたい。
どんな分野でもそうでしょうが、ある程度のことは、一般書を読めば詳しくなれます。地球史や古生物のポイントとなるところは、前半の講義で押さえたつもりです。これらについて自分で勉強してわからないことがあれば、質問してください。
*火星にはいつ頃住めるんだろう。
僕らの世代では無理だと思います。有人基地を作るのにも、100年くらいかかるのではないかな。
*あらためて、地球、生命、人の進化、歴史はすごいものだと思いました。
*「過程が重要」忘れかけていました。(出席カードに代筆があったので、点数という結果よりも、その講義で何を得たかが問題である、何事も結果を得るまでの過程が大事だという話をした。)
ものごと、何でも過程を楽しめるようになるといいのですけどね。その場がつらいと、なかなかそういう気持ちにならなかったりもしますが。
*海岸が海(家?)の近くにあるのでぜひ踏んでみようと思います。すんでいる場所は砂地だといわれているので地震による液状化がかなり心配です。
砂地でも、地下の水位が低いところにあれば大丈夫なのですが。また、基礎がきちんとしていれば、建物は大丈夫だと思います。海岸の砂はぜひ踏んでください。ついでに、砂をルーペで見てみると、いろいろ発見がありますよ。
*最後の講義だからだと思いますが、板書とVTRの内容が違っていて不思議だった。地学と生物進化は近い学問?
生物進化はどのようにして認識されてきたと思いますか? 地層の中にこそ、地球の過去の記録があるのですから、それを読み解くために、地質学の知識は必要です。過去の地球に生きていた生物を学ぶ学問を、古生物学といいますが、最近は進化生物学という言葉を使うことも多いようです。
板書は今日の分の説明、VTRは今学期全体の復習です。試験で、VTRが少しは役に立ちませんでしたか?
*博士がポキートに「・・・のファイルを」と呼びかけますが、ファイル名には何か意味はあるのですか?
台本を書くディレクターが、適当につけています。家の電話番号とか。「G−3」というファイル名は特別で、濱田先生の学生時代からのあだ名がG3(ジーサン)でしたので、「ピカイア」という化石生物の話の時に使いました。濱田先生には秘密にしておいたので、「う、やられた!」という顔をしておられました。
*バクテリアがいなければ今の自分はいなかったんだなと実感。
そうですね。また、僕らの祖先や、人類にいたる進化の筋道で、確実に命をつないできたからこそ、いまの我々があるのですね。その途中で無数の生物が滅びてきたわけで、命の貴重さを感じます。
*火星を人間が住めるようにするプロジェクトがある。けどなぜ金星ではダメなのか? 金星と地球の重力はほとんど同じだし金星にはCO2と水蒸気もあると聞く。CO2さえ何とかすれば火星より住み心地がいいような気がするが…
金星の地球化計画というのはあります。ただし、火星よりも手間がかかるというので、火星の方に人気があるのでしょう。時間さえかければ、金星の方が条件がよい可能性はあります。でも、少なくとも数百年単位の事業ですね。
*日本が沈降して海になってしまうのはありえますか?
過去にそういう時代がありました。日本海形成の後期段階、中新世後期頃です。たぶん、これからはそういうことはないと思いますが、あるとしても百万年単位の変動ですので、心配しなくていいでしょう。
氷期からずっと、人間は、そのときそのとき、住めるところに住んでいたわけです。それが、今は海底だったり、砂漠だったりすることもあるわけですが。自然の変動は人間の一生よりもはるかにゆっくりしたスケールで進行していることが多いのです。
*地球ってすごいなあと思います。
*講義あり、ビデオありでよかった。
*平野についてより理解が深まった。
*先生、さくらに会わせてください。
僕はそんなに親しくないので、無理ですね。僕の授業を聞いてみたい、と言われたことはありましたが…まあ、社交辞令か好奇心ということで。
*食物があるところに人が住みくらしが始まってすばらしい。
くいものなくては、生きていけませんよね。でも、地球上いろんな環境で人は生きていますね。
*氷河期(20000年前)の氷河によって地球の気候の各々の地域に差が出たのは知らなかった。
氷床に覆われた北米やヨーロッパの話をしましたが、気候というよりは、風土といった方がいいかな。土壌や地形に大きな影響が出ていますね。
*厳しい氷河期によって人は、技術の進歩を成し遂げたのは、大変興味深いと思った。
本当のところはよくわかりませんが、ありそうな話だとは思います。
*地球を大切にしていこうと思った。
人間の生きていく環境としての「地球」ですね。人間はそんなにえらくないですから。自分の始末が大切です。
*日本はせまいです。平野増やしてください。
あわてなくて大丈夫。1万年経てば、もう少し平野が増えるでしょう。
*すべてのバランスを保つことはとても難しいと思います。それを保つことがこれからの課題だと思います。
そうなんですよ。それは、どの世界でも似たような問題があるのですが。だからこそ、いかにバランスを保つか、そのための知識や知恵を身につけていく必要があり、そのための基礎訓練をするのが大学という場なのだと思っています。長い人生を考えたら、点数なんぞどうでもいい。
*今回は昔の話で楽しかった。さくらちゃんは上原さくら?
そうです。君たちより、少し年上になるな。
*やっぱり日本っていいですね。東北とか最高です。旅行に行きたいなあ。
学生のうちに、たくさん旅行した方がいいと思います。金は親に借りてでも、行った方がいい。社会に出ると、なかなか時間がとれないはずです。
*テストやばいっす……
出席点があれば大丈夫です。たぶん。頑張ってください。
*地学の授業は楽しくできてよかった。平野に行ってみたい。
この大学も平野のはずれに建っているのですが。でも、平野の中にいると実感できませんね。例えば、筑波山に登ってみると、関東平野を実感できます。
*先生は土木の将来をどう思いますか。僕は……。
人気がないから、マイナーだから、価値がないということではないです。日本の産業は空洞化しつつあって、健全な状態ではありません。いまこそ土木分野のような仕事の価値を評価すべきだと思います。また、自分たちの世界に閉じこもらず、関連する分野にどんどん進出し、発言していくことも大事です。土木で学んだものならではの視点を活かせるところが、行政、特に都市計画や、道路計画、開発計画などはもちろん、建築や農業や環境問題などでも、たくさんあると思います。
*あまり知られていないことですが、千葉県の最高峰は400mくらいです。講義のはじめにした先生の話(点数の話)は、まったくもっともなことだと思います。
そうですね。でも、房総半島に400mの山があるのも、なかなかすごいことです。あのあたりは、数百万年前の、比較的深いところの海の地層が大半ですので。
*あらためて見ると、地球環境の創造と生物の進化はすごいものだと思った。我々が40〜50代になったとき、人類と地球環境がどうなっているか、心配である。
確かに心配ですが、君たちにかかっていますので、頑張ってください。
*夏バテしないよう頑張ってください。
ありがとうございます。採点で、すっかりばててしまいましたが…。
*前回はナマイキなコトばかり記述してしまいすみませんでした。先生はすごくたいへんな職業だと感じられるので、これからもたのしい授業を続けていってください。
ナマイキな事なんて書いたっけ。率直な意見は歓迎します。もちろん、希望に添えるとは限りませんが。面と向かって何も言わず、陰で悪口を言うような態度はキライです。その点、僕は、授業に関して文句を言う/書く人を評価しているつもりです。
*おもしろく、ためになった(同様2通)
ありがとうございます。でも、自分で勉強しないと、何も身に付きませんから、講義だけで満足しないでくださいね。
*今の東京がこんなに暑くなっているのは、都市化が原因の一部であり、江戸時代はこんなに暑くなかったなんて驚いた。
江戸時代に関しては、暑い方の観測記録がほとんどない(積雪や氷結などの記録ならある)ので、推定ですが、世界的なデータからは寒冷期に当たっていますので、たぶん正しいでしょう。現在の高温は異常ですよね。
出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(7/10火曜2限・建築)
(海面変動と沖積低地の形成、液状化や地盤沈下のメカニズムの説明。都市化の諸問題。NHKジュニアスペシャル#15「地球と共に歩んで」を視聴。)
*宇宙での小隕石の衝突で、なぜ“火”が出ているのか? 空気がないではないですか。これは映画にもよく言えることです。
石油を燃やしたような「もわもわ」の火はいけませんが、衝突により飛び散った物質が、高温のために発光しているのは、理屈に合っています。それより、宇宙空間から見たときに、爆発音はしないだろうと思います。地面にいれば別ですが。
*人類と動植物とはどう考えても祖先とかではないと思います。
いま僕たちが見ている動植物は、遠い昔、共通の祖先から別れて別の進化をした生きものたちです。祖先であるはずがありません。過去のことはわかりませんが、化石の情報から、一生懸命パズルを組み立てているわけです。だから、新しい発見があるとすぐ定説が覆る。でも、それが面白いところでもあります。
*最初の生物、最初のせきつい動物がどんな姿なのかわかったが、植物等は最初どういうきっかけで誕生したのか疑問に思った。
最初の脊椎動物は、VTRを信用しないでください。第4回の講義で説明したように、最古の魚類の祖先が、最近中国で見つかっていますので。
*海の波打ち際の砂をふむことにより水が出るという、誰でもしたことのあるような行動が、地学に関係があると知ってびっくりした。
身の回り全て地学の教材です。気づくと面白いことはたくさんあります。
*農耕から全ては始まったのだろうか?
そういう見方はできますけれど、他の見方も可能かも知れません。国家集団の形成は、農耕開始に起源があるのは確かだと思います。
*関東平野も2000mもしずんでるなんて、びっくりした。
そうですね。一番深いところで、であって、平均すると数百m以下ですが。
*今日で半期がおわりなんて早すぎるー。
では、また来年もお会いしましょう …というのはブラックですか?
*化石からその生き物がどのような形だったのかはわかると思うが、色までわかるのか?(同様1通)
化石生物の色の復元は難しく、CGでは、いろいろ推定して色をつけています。無脊椎動物では、色や模様が残る例はあります。ドイツの約5000万年前の昆虫化石(メッセル産)では、甲虫の輝く羽の色が残っていますし、中生代のトリの羽毛の模様が白黒で残っていた例もあったと記憶します。僕も、千葉県の成田層群という地層で、20万年くらい前の貝化石に、表面の模様と色が残っているのを観察したこともあります。
*寝てしまいました。(同様1通)
*徹夜明けですごく眠たかった。(同様1通)
復習はきちんとやっておいてください。
*さくらちゃんがよくまとめてくれたので(笑)前のことがわかりやすかったです。教授の語りが聞きたいと思いましたが、楽しみは後期にとっておきたいと思います。
時間がなくて、地球環境を保持するにはどうしたらいいか、という地球博士の話を省略しました。忘れずに、後期に見せるようにしましょう。
*人類の進化にせよ、ビデオの内容にせよ、何万年も前のものを明らかにしていくのだから難しいと思いました。
難しいですね。でも、だからこそ面白いのかもしれません。
*侵食、堆積も、変化がゆっくりすぎて気づいたら侵食されてた…って感じですね。
そうですね、むしろ地層や地形として残るような侵食や堆積の物質移動は、目に見える大洪水や、大土砂崩れの際に、一気に進行するものであって、それがごくまれに起きる、その繰り返しなのかも知れません。
*地学に興味を持つことができた(同様1通)
*人間を知るには地学からだと思う。
うれしいですね。世の中には、知らないことがたくさんありますが、それを気づかせてくれるのが、地学を学ぶことの面白さだと思います。
*地球はもともと微惑星のかたまりであるというのに、長い過程を経て、今現在、とても発達した星になっている。よく考えてみればすごく神秘なことだと思う。
そうですね。そして、地球科学者、惑星科学者、宇宙科学者の関心は、一般的な問題として、ある惑星系の条件が成立すると、必然的に地球のような惑星の進化(特に表層環境と生物の進化)が起きるものだろうか、ということだと思います。それを知るためには、他の惑星系を観察しなくてはいけませんが、まだそれは先のことですね。
*地球の変化に対応して生きのびてきた、人類、そして生物はすごい生命力だと思った。
そうですね。そしてまた、いまの人類は、逆に急速な地球の環境変化を作り出している存在でもありますね。
*できたての地盤はみんな軟弱地盤で時間をかけて固い地盤になるということですか。
水の中でたまった砂や泥の地層に関しては、そのように言えると思います。
*私は小学生の頃から地学が好きでした。ですが、私の知りたいことに答えられる人は回りにはいませんでした。仕方なく自分で調べたのですが、そうしてみると学校の授業がつまらなく思えたのです。
僕は小学校から高校までずっと理科が好きで、得意でしたが、自分で興味を持って調べたり、観察したり、実験したことは身に付いていると思いますが、学校の授業で学んだことは少ないのではないかと思っています。学校の勉強は、興味を持って自分でやる勉強に比べれば、ふつうはつまらないものではないでしょうか。ただ、僕は自分を振り返って、学校の勉強も無駄だったとは思いません。そのときはいやいや学んだことも、あとになってみると、とても役に立ったりすることがよくあるわけで、それなりに意味があることがわかります。
まあ、僕の場合はヘソマガリなので、質問に何でも答えてくれる人が身近にいたら、それ以上興味を持って、自分で何か調べたり、研究しようと言う気は起きなかったかもしれません。質問に答えてもらうのも良し悪しなのではないでしょうか?
*今の哺乳類などはなぜ進化しないで存在しているのか?
なぜ、「今の哺乳類が進化しないで存在している」ということがわかるのですか?
哺乳類も、時代ごとに異なった種類の化石が見られますし、馬や象の仲間など、新生代後半に非常な勢いで進化したグループもあります。全ての生物が、それぞれの環境に適応して生きているのであり、環境の変化に応じて、非常にゆっくりと、常に変化し進化し続けていると考えるべきでしょう。進化は、何十世代もかけて進行するために、我々が生きている間には認識できない、ということです。
*太陽は46億年前にできたことをどうやって調べたのでしょうか。
太陽そのものの年齢を測ることはできません。しかし、太陽系ができたときの情報を保持している、ある種の隕石を調べ、その隕石中の鉱物の年代を、放射性同位体の性質を利用して測定すると、そのくらいの値になる、ということです。初回に説明した記憶がありますが、こちらのクラスではまだかな??
*日本列島の中でもっとも変動の激しい場所はどこですか?
難しい質問ですが、房総半島南端で、6000年で30mくらい隆起しています。年間5mmくらい。赤石山地で年間4mmくらい、あとは琉球列島で、喜界島が
*アンモナイトの化石を持っているのですが、価値はありますか?
どのようなアンモナイトの化石かによります。価値といっても、学問的価値、金銭的価値や、収集家にとっての価値など、評価基準はいろいろです。でも、数千万年の時を越えて、化石生物の姿が現在まで保存され、手元でそれを見ることができるというのはすごいことです。そういう意味では、いかなる化石も、価値があるといえるでしょう。
*生命の誕生の意図が少しわかりました。
「意図」というと、何か違うような気がしますが…。どのようにわかったのか、それを知りたい気がします。
*VTRでは太陽系のはじまりが隕石の衝突になっているが、その隕石の成分となる元素(鉄など)はどこからきたのか、など、考えるときりがないが興味深い。
初回の講義でやったつもりですが、恒星の誕生と中心部の核融合の進行、そして終末、放出されたガスやちりから、あらたな恒星の誕生、という繰り返しの中で、太陽系が生まれた、ということですね。太陽系以前の情報は、隕石などから断片的に得られていますが、まだまだわかっていません。
*レポートがんばりました。自分でやろうと決めたテーマがむずかしくて理解するのに大変でした。いまだによくわかりません…地質形成史。
挑戦したことを評価します。レポートというのは、結局、発表の一種で、あるテーマについて、それを知らない人に説明する作業だと思うのです。ですから、自分がよくわかっていないことは、他人には説明できないのと同じで、内容をよく消化しないと、よいレポートにはならない。次の機会に経験を生かして、頑張ってみてください。とにかく、まず書いてみることに価値があるのです。
*生物の誕生から今を考えると、たくさんの種類の生きものが、今、地球にいるなーと思った。歴史は不思議だらけだと思った。
歴史というと人類の話に思えますが、うーん、まあ、生命と地球の歴史ですね。たしかに、ものすごい種類の生物があふれていますね。それぞれが必然性があって存在することを思うと、生物の世界は目が回りそうなくらい、多様性に富んだ、豊かな世界ですね。
*今のサルって進化しないんですか? 進化って不思議。
進化するでしょう。たぶん、ヒトの方向には進まないと思いますが。人類が滅ぼさなければ。
*テスト頑張ります(同様3通)
頑張ってください。
*ビデオで進化の話がありましたが、サルは人間に進化しました。人間は何に進化するのでしょう。
わからないですね。ヒトは、環境に合わせて自分の身体を変えるのではなく、環境の方を制御し変えてしまうという解決を選んだ生物ですので、人類の未来は通常の進化のプロセスでは考えにくいですね。それから、サルが人間に進化したというのは誤解を招く表現で、現在のサルと、人間は、遠い昔、共通の祖先から進化した、ということですね。それは確かにサル型の生物(化石霊長類)であったでしょうが、今のサルとは違います。
*ヒートアイランドへの対応が建築、都市計画にとって重要な課題であると感じた。
そうですね。頑張ってください。ビルひとつや住宅ひとつの局所最適化ではなく、地域全体を見て、バランスのとれる熱収支や水収支を実現するシステムの一部として、建築や都市計画を考えて欲しいと思います。
*さるの祖先がねずみみたいで意外だった。人間の祖先がさるということは知っていたけれど、さるにも祖先がいることを考えたことがなかった。
どんな生き物にも祖先がいるわけで、そうしてみると、タイムマシンで過去にさかのぼったら、面白いでしょうね。どれがどの祖先か、探したりすると。
*プルガトリウスはかなり猿に似てなかった。
そうですね。食虫類というグループに近いらしいのですが。いまのサルは、樹上生活に高度に適応し、器用な前肢、後肢や、指、発達した視覚などの特徴を持っていますから。逆にいえばそれがサルの特徴になっているわけですが、最初からそういう体制を持っていたわけではないですね。
*健康第一で頑張ってください。
ありがとうございます。
*今の人類ができるまで、長い年月がかかったことは当然知っていたけれど、その段階を追ってみると、とても興味深かった。シアノバクテリアのおかげで今の自分がいると思うととてもありがたい。
そうですね。現在でも、シアノバクテリアは、地球上のさまざまなところで生きています。アオコもそうですし、地衣類として樹皮の上や地面などで生活するものもいます。
*地盤の液状化のメカニズムが少し分かったような気がする。
要点しか説明していないので、必要になったら自分できちんと学びなおしてくださいね。
*ピカイアが脊椎動物のもととなってるとは思えない。VTRでイカみたいにくねくね泳いでいたのに。
あのVTRは出来が悪いと思うので、あまりくねくね泳ぎは信用しないでください。いまの原索動物であるナメクジウオは、ピン、ピン、という泳ぎ方をするように記憶します。脊椎動物の祖先は、ピカイアではなく、それより古い何かですね。ピカイアより古い時代に、原始的な魚と呼べるものが見つかっていますので。(講義)
*はい魚が立ち魚みたいだと思った。
タチウオというのは、海にいる細長い魚で、立って泳ぐわけではないのですが…。漢字で書くと、「太刀魚」だと思います。刀みたいな、細長い銀色の魚です。
*骨で歩いてた人間がすごいうけた。肉をつけておいてほしい。
まあ、僕の趣味ではないのですが、骨のしくみを知るには、参考になりますね。
*地殻の変動とか、川による堆積とか侵食とかで地形が変わっていくのと、歴史とを合わせて考えてると楽しい。中学の社会を思い出した。あとは、高校の生物以来、微生物についてが楽しい。
そうですね。第四紀や現在の地表のプロセスを学ぶことは、地理や歴史など、社会科で扱う内容と関連が大きいですね。生きた勉強にするためには、自分でそれぞれの項目のつながりを考え、調べることだと思います。微生物は何が面白いと感じますか?
*生命の進化の歴史がよくわかった。
*おもしろかった。(同様1通)
人類につながる生物の進化や、地球の歴史は、地球人の常識だと思うのです。要点だけでもわかっておいて欲しいと思います。
*上原さくらがめずらしく、賢く見えた。
番組の中は演技ですから。けっこう鋭いところをついた質問をするし、とんでもない勘違いがあっても、恥ずかしがらずに質問できるところも含め、なかなか優秀です。
*人の進化に感動した。
まあ、人類にいたる進化を学ぶことは、人類だけが地球の生物ではない、ということを知る意味で、大事なことかもしれないと思っています。
*今日の授業は話しが中心だったけれど、具体例や図など話したり使っていて、わかりやすかったです。授業をちゃんと理解するためにも勉強をしようと思います。
うれしいですね。この講義の大きな目的は、自分で学ぶ姿勢を身につけてもらうことにもありますから。それでわからなければ質問をする。それが教師の有効な活用法だと思います。
*楽しかったです。(同様2通)
楽しく学んでもらえれば、それが一番です。ただ、これで満足してしまうのではなく、興味を持ったついでに、本屋で地球に関する本を見かけたら、ちょっと手にとって読んでみたり、自分で学ぶ方向に進んでくれると、僕はもっとうれしいです。
*大陸が分裂して周りを海に囲まれてあたたかい気候が保たれた…とあったんですが、それは赤道の側とか関係なく…とかってわけじゃないですよね、もちろん。地球ができたときからちゃんと地軸とかもきまっていたんですよねー、やっぱり。
そうではないのです。いい質問ですね。地軸の向きは、ほんらい公転面に垂直であるべきで、それが傾いているために、四季の変化がうまれているわけですが、それはかなり偶然の要素があります。
ジャイアント・インパクトのような、大きな微惑星が原始地球に斜めに衝突した際に、地球の地軸がずれて、現在のような傾斜ができたのだと考えられています。自転軸が傾いている惑星はいくつかあります。天王星はほぼ横倒しになっていますし、180度近くひっくり返って、時点の向きが他と逆になっている惑星もあります。それは、惑星形成の最後の段階で、大きく成長した微惑星が中心をずれてぶつかったために、回転軸がずれたのだと考える見方が有力です。
ただし、集積が完了すると、自転軸が変わる理由はなく、ずっとそのままの傾きを保つことになります。一方、大陸は集合と分裂・離散を繰り返していますので、その位置が極や、赤道付近に集中する時期があります。