出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(11/6火曜2限)

(大陸と変動帯)

回覧標本について(セネガルの砂漠砂、偏光板実験セット、金属シリコン)

*テレビで見るよりも、実際に見たサハラ砂漠(の砂)は、かなり黄土色でびっくりした。ルーペで見たときに、透明な粒が見えたのですが、あれが石英の粒ですか? 実際に5cm弱の石英を持っているので、砂漠のつぶのあまりの小ささにおどろきました。

 透明な粒が石英です。外形がとても丸くなっていることに気づきませんでしたか。空中を運ばれることで、粒どうしがぶつかるチャンスが多く、水中を運ばれる場合よりも表面が摩耗しやすく、丸くなるのです。粒が小さいのは、場所にもよるのですが、風下で遠くまで運ばれるのは細かいものが多くなりますね。粒の大きさがそろっているのは、風で運ばれる距離が粒の大きさによって違って、それで選別を受けているからでしょう。

*砂漠の砂をはじめてさわりました。すごくサラサラで、ルーペで見たらキラキラした小さい粒がいっぱいあった。

 そうです。そのキラキラした小さい粒が、砂丘をつくるような石英の砂の粒子です。

*岩石が砂になるのにどのくらいの時間がかかるのですか?

 わからないです。一概には言えませんが、氷期終了が1万年前ですから、それ以後と考えると、数十年から1万年の間かな。でも、場所や条件によって様々でしょう。砂嵐が吹き付ける岩肌などは早く削られ、砂になるでしょうし、砂丘の下に埋まった岩石は、風化の進行が遅く、何万年もかかるかもしれません。

*砂漠の砂は元々は石であり、石英であることには驚いた。そこらへんにある砂もそうなのですか?

 そこらへんというのは日本の海岸や河川の砂ですか? 日本の場合は、上流の岩石が風化し、水で浸食されてつくられ、川で運ばれます。海岸の侵食でできる砂も若干あります。砂をつくるのは石英の粒子とは限りません。むしろ石英以外の岩石の破片や、火山灰に入っていたような輝石や、斜長石といった鉱物が多いです。日本の場合、変動帯で石英が岩石中にもともと少ないところが多い上に、温帯に位置していて気温がそれほど高くならず(風化の化学反応が遅くなる)、降水量が多く、砂漠のような陸上での極端な風化が進む前に、砂の粒子が水によって運ばれてしまうので、石英の割合が低いのだと思います。

*まわってきた砂漠の砂と、以前、モンゴルで見た砂漠の砂は色が違いました。

 砂漠の砂の色は様々です。でも、モンゴルの場合は黄色っぽくなるものが多いようですね。それは気温や降水量などの気候条件、元の岩石の違いなどを反映するようです。

*砂漠の砂をはじめてみました。とてもこまかくてサラサラでした。

*サハラ砂漠の砂がとても細かいのに驚いた。

 サハラでも砂にはいろいろあって、たまたま風下の、砂の細かいところを取ったのかもしれませんが、意外に砂漠には細かい砂が多いそうですね。

*砂漠の砂が思っていたよりもさらさらしていたのに驚きました。ルーペでみたときに結晶になっていたのにも驚きました。

 ほとんどの砂の粒が石英の単結晶だというのはたしかにそうなんですが、摩耗して丸くなって、結晶の形は取っていません。結晶とわかったのはすごいなあ。偏光板にはさんでみたのですか?

*砂漠の砂ってすごくさらさらしているんですね。あんな砂の上歩いたらずぶずぶ埋まってしまうのもうなずけます。

 上を車で走っても大丈夫な硬いところと、ずぶずぶ埋まってしまうようなところがあるそうです。一般に砂丘の風上側は硬く、風下側は新しい砂がたまっていて軟らかいようです。

*砂漠の砂は今までみたことのない感じでした。

 ちょっと日本の海岸の砂などとは違う感じがしますよね。

*砂をさわることができてうれしかった。雲母はすばらしかったです。(←偏光板の実験)

*雲母のかけらがとてもきれいだった。

 雲母の干渉色、きれいだったでしょう。偏光顕微鏡で岩石薄片を見ると、きれいで不思議な世界がたくさん見えてくるのです。見せたいなあ。

*砂漠の砂はすごくサラサラできれいだった。きもちい。

*授業中回ってきた砂がきれいでした。オレンジ色でサラサラだったのできれいでした。

 ルーペで拡大してみると、あまりオレンジ色という印象はなくて、透明な鉱物が砂をつくっているのが面白いですね。オレンジ色や赤いのは、微量の鉄分(酸化第二鉄)によるものです。それも岩石の風化でできたものですが。

*砂はさらさらしてさわりごこちは良かった。

*砂漠の砂はさらっとしていると思った。

*サハラ砂漠の砂に生まれて初めて触れたが、感動した。私の想像では、もっとざらざらだと思っていたのに、(海岸の砂みたいに)とてもさらさらで手ざわりもよくて、実際に触れてみて誤りがわかってよかった。

 それはよかったです。砂漠の砂は、表面がなめらかに摩耗していて、それがさらさらしている原因ですが、水をけっこうはじきます。それで、意外に透水性が悪い。水につけてもなかなか濡れず、水に浮いてしまいます。砂漠で雨が降ると透水性が悪くてしみこまず、すぐに洪水になってしまうそうです。砂漠の本によると、砂漠では洪水による死者の方が、渇いて死ぬ人よりも多いのだそうです。意外ですね。

*本物の砂漠の砂を見れて、あまりのさらさら感に感動しました。番組では赤く見えるといっていましたが、黄土色でした。

 砂の色は不思議ですね。

 

砂漠

*中学の時、砂漠の緑地化として、マングローブを勉強したことがある。他にも、有効な緑地計画はありますか?

 マングローブは有効なのですか?そちらの方に興味があります。有効な緑地計画というのは知りません。いろいろ試されているようですが、なかなか困難が多いようです。

*砂漠のでき方を初めて知った。自然の力はすごいとあらためて知った。

*砂漠行きたい。(行きたい同様1通)

*ぜひ一度砂漠に行ってみたいです。

 僕も行きたいです。砂丘だけでなく、岩石のところなども行ってみてみたいなあ。サハラ砂漠では、隕石の発見も多いのです。あとは、「砂漠のバラ」と呼ばれる、方解石や石膏の結晶も砂の中にできますね。

*今年の夏休み、植林を目的に中国の内モンゴルの方へ行ってきました。見わたす限り砂丘で、歩くのがとても大変でした。風が吹いたときの砂の流れていく姿がとてもきれいで、砂まみれになりながらも見続けてしまいました。私も砂を持って帰ってきました。

 そうですか。それはよい経験をしましたね。人生観少し変わりませんでしたか? 僕がそんな経験したら、人間ってなんだろう、と思うんじゃないかな。いや、すばらしい。うらやましいことです。

*砂漠の形が自然の力によって作られる風景はとても美しく感じられた。

 そうですね。いろいろな風景を見てみたいし、ひとつの風景をずっと見ていても、変化がありそうですね。

*サハラ砂漠がさらさらでキレイでした。赤いのが赤サビというのもびっくりでした。砂漠が岩からできているなんて…驚きでした。太陽のエネルギーってスゴイですね。ドーナツ状に乾燥地域ができるのも、地球はひとつというつながりを感じてしまいました。

 そうですね。ほんと、地球はつながっているんですね。面白い。

*地球を北極から見ても南極から見ても、同様に雲がドーナツ型にできていて、雲がないところが砂漠であるということがわかった。

 海にも、そういう意味では、晴天が続き乾燥して、砂漠っぽいところはできます。黒潮のふるさともそういうところです。これはまた授業で解説します。

*同じ赤道付近なのに、熱帯雨林地域と砂漠地域ではあんなにも気候が違うナゾが解けた。砂丘の姿が一時もとどまることのないことを知って、自然は芸術を作り出すこともあるのだなと感じた。

 自然は芸術家だと思いますよ。人間がつくるのもすばらしいけれど、スケールの大きさには圧倒されます。

*砂丘に一番興味がわいた。風によって変わる砂丘、風向きによっても変わり、常に変化している砂丘。そこにとても神秘的なものを感じた。

 神秘的は同感。砂丘は変化が目の前で見えるのが面白いところかもしれませんね。風による移動は、水による輸送に比べて速度が速いように思います。

*砂漠になるメカニズムを知ることができてよかったです。ただ単に雨が降らないということではなかったんですね。砂漠の研究をするのもおもしろいと思いました。

 砂漠の研究は面白いと思いますよ。地球にはいろいろな砂漠があります。これはまた扱いますが。

*砂漠の映像がとても美しかった。(映像がきれい同様1通)

 そうですね。ああいう映像がいっぱいあるといいですね。

*砂漠の原理がよくわかった。日本も位置的に砂漠になりうる要素があるとわかった。建築材料という点でも、岩石についてよく知る必要があると感じた。

*砂漠は掘っても掘っても砂漠なんですか?

 番組中でも衛星写真で砂の下の地形を見せていましたが、砂が載っている下は岩石です。大陸ですから、主に花崗岩や変成岩、古い堆積岩です。

*砂漠は岩石と太陽、風によって形がつくられていて、自然の力でつくられた形はとても美しく見えました。

*サバクのあの形は一定なときはなく、常に変わっていて、その時できた形は二度とみれないところがすき。同じような地形がつづくサバクだけど、ずーっと変化していてすごい。

 その通りですが、どんな風景でも常に変化していて、ただその変化に我々が気付きにくいのに比べて、砂漠の場合は変化がわかりやすい…速いということかもしれませんね。

*砂漠の砂がどこからくるものなのか、がよくわかった。

 はい。ちょっと補足すると、番組で紹介していた岩山は、柱状節理でわかるように、本当は玄武岩の熔岩なので、砂漠の石英の材料にはならないのです。あの岩山は砂にならなかったから岩山として残っている。むしろ、砂の赤い色の原因となる、鉄分の供給源になります。主な砂の供給源は、花崗岩や、花崗岩からつくられた昔の砂岩などの堆積岩です。

*砂漠の砂の色がきれいだった。

 

鳥取砂丘

*去年の春に鳥取砂丘に行ったことを思い出した。非常にキレイで夕暮れ時は特に幻想的で映画みたいでした。もう一度行きたい。

*鳥取砂丘は、なぜ砂丘になってしまったのですか?

 河川で運ばれた砂が、日本海の沿岸流で運ばれて、流れの方向の海岸にたまり、それが鳥取砂丘をつくりました。砂漠のように風で運ばれた砂がたまったものではありません。こういうものを海岸砂丘といいます。

*鳥取砂丘は広がらないんですか?

*鳥取砂丘は日に日に大きくなっているのですか?サハラ砂漠は大きくなっているらしいですが。

 わからないです。基本的には広がっているはずですが、最近の海岸侵食がどうなっているか、その影響を調べていないので。

*鳥取砂丘の砂はどんなかんじの砂なんですか?鳥取砂丘も岩が風によってくずれたものなんですか?砂の色が思っていたよりオレンジっぽくてびっくりした。砂もらっちゃいました。本当にうれしいです。

 鳥取砂丘の砂は見ていないのでちょっとわかりませんが、石英がサハラ砂漠の砂ほどには多くないと思います。岩が風によって崩れたのではなく、川の上流で雨水や土壌中の風化で壊され、水(河川)で運ばれ、河口から海岸にたまったものです。砂は喜んでもらえてよかったです。

 

安定大陸と変動帯

*大陸が移動して今の世界ができたことは耳にしていたが、成長の過程を知って感動した。自然の力ってすばらしいのですネ。人間なんてちっぽけだあ。

 そうですね。大陸成長はすごい。面白い。だから僕も研究することを捨てられないわけですが。

*大陸の本質は大陸地殻の密度にあるということに感心しました。

 くわしくいえば、もっといろいろ話すべきことがありますが、基本はそういうことです。

*大陸地殻が海洋地殻よりも密度が高いのは、プレートが移動するときにかかる圧力が関係しているのですか。

 これは勘違いですね。大陸地殻の方が海洋地殻よりも密度は小さいです。プレートが移動するときにかかる圧力というのは、どういうものをイメージしていますか?

*いきなり大陸はできますか?

 簡潔に鋭いところをついた質問ですね。海洋地殻やプレートの沈み込みを経由せずに、ということですね。ううむ。実は、初期地球ではそういうことがあったかもしれない、と考えられています。月の場合は斜長岩の地殻ができているわけですが、地球でも最初に花崗岩の地殻(地球のマントルには水が多い)ができたという推定をする人もいます。

*大山脈ができるところはプレートが重なるところでしたよね。それは地震も起こるってことですか?

 そうです。ただし、地震の起こるところは、重なるところというより、そのために変形した周囲の部分である場合が多いようですね。

*大陸の偉大さがわかった。

*昔に戻って大陸がどうできたかを実際、感じてみたいと思いました。

 そうですね。でも、いまでも不可能じゃないです。日本で噴火や、海溝沿いの地震がある度に、僕は、「ああ、こうして大陸地殻がつくられていくなあ」と実感しております。

*何億年も経つと変動帯は安定大陸になって、すべての地形は平らになってしまうのですか?

 プレートの移動がなくなれば、その何億年後かにはそういうことになるでしょう。衝突がなくなるわけですから。

*オーストラリアの岩は今も風化されつづけているのですか?

 オーストラリアのどの岩を指しているのですか? 地表にある以上は、風化され続けますが。

*大陸のようなすごく大きいものも静平衡(←アイソスタシー)の理がかなっていることにおどろいた。

 アイソスタシーの訳語がこれでいいか、自信がなくなってきました。確かめますのでちょっと待ってください。大きいものほど、そこにはたらく原理が、他の要因に邪魔されずに、はっきりと現れるものですね。

*大陸地殻と海洋地殻の関係はふくざつだ。

 ごめんなさい。これでもなるべく単純化して話したつもりなのですが、たしかに複雑なんです。

*日本は新しい地形、つまり変動帯だから地震火山などがあるんだと地学的な視点(?)で理解できた。

 そうそう、それをわかってもらえるとうれしいです。

 

その他

*火山噴火はなぜ起こるのですか?自然をおかした人間への罪(罰?)ですか?

 人間が出現する前から噴火しているからなあ。それはずいぶんと人間中心の考えではないかな。むしろ、火山の噴火があることを見越して、人間がそこで生活しなくてはいけないのだと思います。

*アイソスタシーとは不思議な感じ。言葉の響きは好きです。

*アイソスタシーがよくわかりません。

*高校で地学の授業を受けたが、アイソスタシーも勉強したが忘れてしまっていた。それなのに、ちょっと説明がわからなくて思い出せなかったので残念でした。

 ちょっと補足を考えます。大陸氷床焼失後のスカンジナビアの話をしましょうか。

*太陽系脱出の話を聞いて、50億年先の地球を見てみたいと思った。

 見てみたい気がしますが、見てしまうと、ちょっと地球がかわいそうかもしれない。

*長い年月をかけて変わる地層を思うとすごいと思う。

*水が氷になって固まると密度が減るというのが納得できません。原子の結合が固まるのに密度が減って軽くなるのはおかしいです。

 これはあとで個人的に説明しましたが、水の特殊な性質のひとつで、他にこのような性質を示す物質は少ないです。水は液体の場合、非常にコンパクトに分子がはまりこんでいるのですが、氷になるときに、比較的隙間の空いた構造で結晶化します。そのためにこのような密度の逆転が起こります。

*先生は火星に人間が住むことについてどう考えていますか?人口爆発の解決策として出ていますが、私は「人間がそこまで自然・宇宙を人間の意のままにしていいのか。」と思います。

 あまり好きではないですね。でも、もっと他の宇宙へ出ていくためのステップとして、たぶん避けられないことなのだと思っています。ただし、まず地球をなんとかすべきですし、それに行く手間と費用を考えると、人口爆発の解決策にはならないと思っています。

*建築家は砂漠をつくりすぎた。

 これはどういう意味ですか。話は飛ぶけど、建築家の黒川紀章だったか、バブル景気の頃、東京湾を埋め立てて、住宅供給を、などと論じていて、猛烈に頭に来たことがあります。東京は東京湾のおかげで成り立っている部分があるわけで、東京湾をなくせば、ヒートアイランド現象の悪化だけでなく、様々な居住環境の悪化が想定されます。こういう短絡的な思考や発言をする建築家にだけはならないでください。

*海の地震は震度0〜0と表すのか?

 海の地震でも、地上に被害が及べば、その地上の場所の震度を決めることができます。我々の使う震度階は日本で決めたもので、他の国では基準が違います。海の中のように、人が住んでいないところでは、震度を決める必要性はあまりなく、むしろ地震の規模(マグニチュード)の方が重要だと思いますが。

*地球上のすべては有限なんだと強く思った。

 そうです。それに関しては、後半の授業でなるべくきちんとやりましょう。

 

授業全般

*砂漠化などの問題が深刻化する現代で、そもそもの砂漠の成り立ち理解しているようでしていなかったので、ビデオを見ることができてよかった。またアイソスタシーで高い山を作るにはより厚い大陸が必要というのもわかりやすかった。大気の流れによるということは、地球に海ができて、大陸が誕生した頃から砂漠が存在したということですか!?

 えーっとね。逆なんです。たぶん、陸上に植物が進出し、生態系ができて、初めて陸上に砂漠でないところができたのです。だから、5億年前より昔では、陸地はほとんど全てが砂漠だったということです。僕にはハッピーな世界ですが。

*さばくの本が面白かった。

 興味を持ったら、自分でも本を探してみてくださいね。もっといい本があるかもしれない。

*風邪気味で、ボーッとしてしまいました。

 お大事に。

*とにかく、いろいろな標本を実際に手にして体験できることがうれしい。他の授業ではめったにありえないことだし、実験みたいで楽しい。

 それはよかった。では、毎回何か面白い材料を探してきて、回覧するようにしましょう。

*以前欠席した授業があるのですが、レポートの内容は地学の内容ならばテーマはなんでも良いのですか?

 よござんす。

*先生の授業は高校の地学と違い、実際に体験できて分かりやすいし、楽しい。

 高校の地学…は、どういうものだったか、ちょっと心配になりますが、もっと面白くするために、注文をつけるなり、質問して積極的に参加するなり、協力してくださいね。

*雲の本の写真がきれいで内容もおもしろかった。

 写真を撮った武田さんはネット上で存じ上げています。千葉県の高校の先生をされているようです。

*光と色の本を見せてもらって、私は今、色検の勉強しているので興味深かった。いつか絶対オーロラを見に行きたい。

 色検ってなんですか? オーロラ、今年や来年くらいまでは、見頃?だと思います。ぜひどうぞ。

*またいろんなものを見せて欲しい。

 努力します。

*なるほど。

 …大陸地殻の話ですか?

 

余談(続き)

*やりたいことが完全に決まっているというのは裏をかえせばそれ以外興味がないということに等しい。やりたいことがわからず与えられたことをひたすらやるのもどうかと思うが、なにか人間が狭くなって拒否することが自分に多くなったと思う。自分の自然保護?の思想がすべてのこの学校の専門科目に拒否感を出してしまい、なにも発想をできなくなり、ただひたすらつらい。建築の知識を入れるということだけでこの大学にいるのはたいへん。

 それは自分なりに勉強の仕方を考えるしかないですね。本当は、ある分野を深く極めようとすると、他の分野でも勉強しなくてはいけないことが、たくさんあることに気付くのですが。自分のやりたい勉強を、待つことなくいまから一生懸命やってみたらどうですか。ある程度進むと、きっといまやっている大学の科目の勉強に、自分なりの学ぶ意味が見えてくると思いますよ。

*先生は自分なりの意志を持ってる人だと思った。

 君だってそうではないのですか?

*地学以外に興味あるものは?

 いろいろ。文学、政治、歴史、地理、軍事。実は人間に興味があるような気がします。

 

地学について

*地学はスケールが大きいと感じた。

 大きいことも、小さいことも扱っています。

*地学も大いに建築に関わったらいいなあ。

 意味がよくわからないのですが、関わっていませんか?

*地学の授業を聞いていると、時を「早送り」「巻き戻し」したくなります。数千年単位くらいで。

 そうですね。悪魔に魂を売ってもタイムマシンが欲しくなるときがあります。

*現在、建築を勉強していますが、規模とか大きさに限定した基準で見ると、星とか宇宙とか大陸って言うのはデカイなあと思う。人間なんて小さいですね。でも、できることは無限ですけど。

 そういうことですね。できること、無限にとはいいませんが、頑張ってください。

 

講義内容要約(例)

 

*砂漠には砂だったり石だったり様々な砂漠がある。大陸には安定なものと変動帯があって、それぞれ地形、岩などが違う。

 砂漠をつくる要因について、ちょっとふれて欲しいな。安定大陸と変動帯も、もうちょっとくわしく。

*大陸はマントルに比べて密度が薄いため、マントルに浮いている。

 まあ、そういうことなんですが、密度は大小で表現します。それと、海洋との違いは? 地殻にふれてもらわないと。

*砂漠の砂は岩からきた。太陽が岩を割る。夜と昼の温度差が激しいから。力強い大気の流れにより、赤道の少し上や下のところには熱風が吹きつけ、雲がこなくて雨が降らない。乾燥地帯になる。砂漠になるのは石英の岩が多いということも原因。安定大陸には地震・火山がない。

 石英を多く含む岩石、ということですね。砂漠の成因は、本当はいろいろあるので、また解説します。とりあえず合格点かな。

*安定大陸は変動帯が浸食や他の現象(地震など)が起きなくなるまで落ち着いた状態のことである。また風化した岩が空気間でぶつかって、また水を含まないとき角が丸くなり、砂漠の砂になる。

 岩がぶつかるというより、砂になってから空気中(地面)でぶつかるわけですが。よく書けていると思います。

*大陸には安定大陸と変動帯とがあって、日本は変動帯の例である。変動帯としての発展が終わると安定大陸となる。大陸の本質は大陸地殻の密度にある。

 うん、あまり文句がつけられない要約ですね。試験では減点できないと思います。欲を言えば砂漠についてもちょっと書いて欲しいかな。

*砂漠の砂は太陽によって暖められた岩石が昼夜の温度差による伸び縮みでくだけたもの(岩石+太陽+風からできた)。大陸について(安定大陸と変動帯では地殻を形成している岩石に違いがある。/山ができるためには地殻が厚くないとできない:アイソスタシー)

 砂漠の砂は風で運ばれることも重要ですね。だいたいよろしいかと思います。