出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(11/13火曜2限)
(縞状鉄鉱と石灰岩)
回覧標本について(虎目石…縞状鉄鉱の変成したもの)
*縞状鉄鉱、先生の学会発表を聴きながら、石を実際に見ていると、とても納得がいきました。しまがとてもきれいでした。
虎目石になったものは、縞状鉄鉱としては比較的特殊なものです。いま、博物館の展示に出していてお見せできないのですが、そのうち、ずっしり重い、本物の縞状鉄鉱を見せたいと思います。
*たしか高校の時に“縞状磁鉄鉱“と習ったのですが、地球磁場の影響を受けた縞状鉄鉱なのですか?
縞状鉄鉱を構成するのは、鉄鉱物とチャート(石英)ですが、鉄鉱物をくわしくいうと、磁鉄鉱、赤鉄鉱、黄鉄鉱などです。磁鉄鉱のものは多いと言えば多いですが、縞状磁鉄鉱とは言いません。地球磁場の影響は、受けているかも知れませんが、いつの地球磁場を保存するかが問題です。僕はわかりません。ごめん。
*鉄鉱石の標本はとてもきれいだった。あめみたいでおいしそうだった。
飴ですか。たしかにそういう飴がありますね。あっちは何が模様をつくるのだろう。砂糖の結晶かな?
*縞状鉄鉱の標本がとてもきれいだった。
*石がきれいでした。(同様1通)
喜んでいただけたとすればよかったです。
*サンプルで回ってきた虎目石がすごく面白い石だと思いました。せんい状になっていて、光の角度によって色が変わるのが不思議でした。
そうですね。結晶の繊維が非常に細かくて、方向がそろっているけれども、微妙な違いで光る場所が違いますね。面白い。
酸素生産と地球史
*今日のビデオで、地球に酸素が生まれた理由がよく解った。地球の誕生の歴史、生物の誕生など、もっと詳しく知りたくなった。Fe2+はFe3+となり、CO2は石灰岩となり、気体が固体として存在している。
うれしい感想ですね。地球史のことは、前期の講義で扱ってしまったので、興味があれば自分で本を読むか、来年度前期の地学(1)を取ってください。
*地球の現在の状態は昔とは違うが、どのようにしてそうなったのかという過程を知るとなると、とても多すぎて整理しきれないと思った。
そうですね。全部をわかろうと思うと大変です。でも、大気の変化や、生物の進化といった、それぞれの道筋で大枠を押さえておくと、いろいろな事実がつながってきて、原因や理由がわかって面白くなると思います。
*生き物が行ってきたダイナミックさに感動した。
*岩石と生物には深い関係があると実感した。
そうですね。水を通じて、かな。
*38億年前の化石が現存しているのは驚きだが、その頃始まった酸素生産がいまにつながり、進化していることを考えると、現在の我々は長い歴史のつまった素晴らしい生物だと思った。
そうでうすね。もうひとつは、我々は単独では存在していない、ということですね。
*酸素を多く含む惑星となるまでには、多くの過程を経て、成り立っているのだな実感した。海が赤かった時代には、空気が相当鉄くさかったのではないかと思う。その赤さびだらけの海の中で生きていた生物はいるのですか?
僕はよくわからないのですが、海底の酸素が少ない条件では、鉄バクテリアが活動していたのではないかな。また、赤さびが沈澱した場所は限られていて、例えば表層ではプランクトン的な生活をしていたシアノバクテリアがいたでしょうし、ストロマトライトも、基本的には石灰岩で、酸化鉄のないものが多いのですよね。
*我々が何気なく歩いている下には、我々のはかり知れない存在理由があり、常に成長していく。そこには、人工では決してつくれない透明感を感じた。
たしかに、過去を学ぶと、いま動いている地球のしくみの何かが、遠い未来にどのようにつながっていくのか、はかりしれないものを感じますね。
*サンゴや縞状鉄鉱のつくりがわかって良かった。それとそういったものが何千年もかかってできていくのがすごい。
さまざまな地球と生物のはたらきは、人間の一生や文明の期間よりも、はるかに長い時間スケールで進行していることが多い、ということでしょうね。
分子状の酸素(気体)ということですね? ゼロではないという意味で、ある、という点では、ずいぶん前からあります。たぶん地球形成期からほんのわずかにはあったでしょう。でも、問題なのはその濃度で、現在の1気圧の20%に達するのは、4億年前から3億年前と考えられています。
*地球での酸素のできかたについてよくわかりました。岩石がすごいきれいでした。
*35億年も前のことを今のものの状態からわかることには驚きました。
そうですね。理屈を知っていると、その限界もわかるので、あまりおどろかなくなるのですが、35億年前の地層が残っていることには、よくぞ残ってくれたという気もしますし、単純に感動します。
*人間が酸素を吸って生きる性質があるのは、「適応」したのか、それとも「奇跡」なのか…どっちなのだろう?と思いました。
結果を知ってしまうと、全部の流れが必然に見えてしまうところはありますね。でも、それはあまり正しくないのかも知れないな。奇跡的なことにも思えます。
*サンゴの形成がおもしろかった。(VTR)
*38億年前と聞いても、人類がいないから、想像つかないけれど、今住んでいる地球のことだから、酸素が増えた過程はすごいと思う。ストロマトライトは何となく気持ちが悪かった。
人類がいない時代にも地球があったと知ることは、たぶんこれからの人類にとっても、とても大事なことなのだと思います。
*鉄鉱石の層が厚く、それは微生物から出た酸素が鉄を酸化させ、少しずつ積もらせたものであるので、今の地球ができるまでにすごい長い年月がかかっていることを知り、また、自然の摂理におどろきました。
いつか分厚い鉄鉱層の大地に立ってみたいですね。その大きさや時間と空間の広がりを体感してみたいです。
ストロマトライト
*ストロマトライトは構造の名前とおっしゃっていましたが、いくつもの層になっているという構造のことを指すのですか?
まあ、そういえばそういうことになります。生物がつくった、マットが積み重なった構造というか、そういうものを指します。形態や大きさはいろいろです。シアノバクテリア以外の、他の生物がつくる場合もあります。
*ストロマトライトがかなり印象に残っています。あれが地球に初めて酸素をもたらしたなんて信じられません。やはり実際にストロマトライトを見て、さわってみたいです。
たぶん、シアノバクテリアだろう、とみんなが思っているだけで、真相はわかりません。でも、非常に早い時期から酸素の生産に貢献していたのはたしかです。
*ストロマトライトに関するVTRは、何度見ても本当にきれいで、水がとても澄んでいて感動してしまいます。
縞状鉄鉱生産の量的推定…学会発表の内容について
*スライドで見たものは難しかった。
すみません。話すのなら、もっと前提の話から丁寧に説明すべきでしたね。時間的にも無理があったと思っています。
ほとんど化学式を出していないのですが…。化学式は、苦手意識さえなければ、非常に便利なツールです。化学式で説明する場合は、現象としては、たいしたことは言っていないと思って構いません。
面積的には90%以上が氷で覆われています。しかし、氷で覆われていると、地質調査はできないので、我々が調査するのは露岩地帯ということになります。それしか見ていないのです。夏は+5度から10度の気温で、日照時間も長いのですが、風が寒かったですね。
*学会発表の説明は、よくわからなかった。沈み込んだ鉄の量を計算してどうするのですか。
なぜ計算するかというと、昔の地球はこうだった、という考えをそれぞれいろんな人が発表するけれども、その妥当性を議論するのは非常に難しいからです。それで、計算である現象が地球全体から見てどのくらいの意味があるのか、客観的に議論する土台をつくろう、という試みのつもりなのです。数字にすれば、それが正しいか、誤っているか、どのくらいの誤差があるか、そういう話ができますからね。
*先生の新しい意見といっていたBIFについて、私にはよくわからないが、とにかく先生はすごいと思った。
すごくないです。だまされてはいけない。わからないまま尊敬したりすると、怪しい教祖様と一緒になってしまいます。
*酸素が沈み込む?という話、もっとゆっくり聞きたいです。
ごめんなさい。いつか、うまく話ができるように、努力します。時間が余ったら、やりましょう。
*先生の発表は縞状鉄鉱の話は途中でよく分かんなくなって複雑だった。地質学会で発表するような内容は少し難しい。もう少しゆっくり話してくれるといいかも?
そうですね。もっとシンプルな話にすべきでしたね。反省しております。
サンゴ礁と石灰岩
*給食のソフトめんが岩石でできているなんてショックでした。
ソフトめん自体は小麦粉からつくっています。誤解のないように。カルシウム添加に用いる炭酸カルシウム製剤が、石灰岩を原料にしているというだけです。
*もし酸性雨が進行したら、地球上にある石灰岩が溶けて、大量のCO2が発生し、地球温暖化に影響することはありますか?
どうかな。石灰岩が酸性雨で溶ける場合、二酸化炭素が直接出るか、炭酸水素イオンになるか、pHにもよりますが、ちょっと自信がない。
*沖縄の伝統的な家の防風壁にサンゴ岩が使われているそうなのですが、サンゴ礁とサンゴ岩は全くの別ものですか?
いえ、同じものと考えていいでしょう。
*珊瑚礁のひとつの骨格ができるのに48時間もかかるなら、あんなに大きく成長するには相当な時間が必要なのかなと思いました。
*これからもっと二酸化炭素が石灰岩になっていって、二酸化炭素はなくなったりしないんですか?
*昔の大量の二酸化炭素が石として残っているのがすごいと思った。珊瑚の散乱がとても神秘的だった。サンゴがCO2を使うから大気中のCO2が海にとりこまれるのもすごいしくみだと思った。
*昔は今の何倍もの二酸化炭素があったといわれますが、今、石灰岩となって存在しているということはわかりました。二酸化炭素という気体がサンゴによって石灰岩という固体になると言うことが不思議です。ストロマトライトは成長しているなど、無機物と思っていた石が、微生物がつくったり成長したりとても不思議です。
*サンゴがキモイ! サンゴのすごさがわかった。
*サンゴきれい。
*サンゴの産卵をはじめて見た。サンゴの成長の仕方は面白い。
*世界中のいたるところの海にサンゴがあるとしたら、地球の温暖化は防げるのですか?
*サンゴ虫の話がもっと聞きたい。
*サンゴ万歳
*サンゴって素敵やん。
*サンゴが増殖をしているときのサンゴが結合しているものは何だったのですか?
*桂林行きたい! エアーズロック、桂林、グランドキャニオンなど、自然の生み出す風景には感動させられますね。(行ったことないけど)。あらためて自然のすばらしさを感じます。
*石林行ってみたいです。
*中国の2つの石灰岩の山があったけれど、ひとつは雨水で削られたのは理解できたけど、石林のほうはごつごつしてたし形も縦長で、山とは形が違っていたけど、あれも雨水で削られたのですか?
*中国はほとんど石灰岩地帯というのにびっくりしました。自然のアートを生み出していたのもびっくりです。
*石林にはしる横のみぞは何?
建築と地球環境
*地球温暖化に建築分野が原因となっている話を聞いた。建築資材の輸送で出るCO2はもちろん、コンクリートをつくる際にも出るらしい。生きた珊瑚の分布は海面付近らしいが、サンゴがCO2を分解してO2をつくると温室効果ガスが吸収されてしまい、地球が寒冷化し海面が下がる。(単純に考えれば、ですが)海面が下がればサンゴは死滅する。こういうシステムが「ガイア仮説」を現実に感じさせると思いました。
授業全般について
*前期にやった内容なので少し物足りなかったのですが、よくわかったのでよかったです。
*ストロマトライトなど前期にやった内容を再び思い出すいい機会になった。
*前期で見たストロマトライトのビデオを、今日、もう一度見て、前期でわからなかった部分が少しわかってきた気がしました。
*ストロマトライトのビデオ、高校の時に見たような…
*前に見ましたよね、このビデオ。
*建築のことに役立てていきたい。
*内容は少しわからなかったが、いままで当たり前のこととされてきたことや、いまあるものごとに疑問を持ち、自分なりに考え、答えを出していくことは、すごく難しいことだけれど、それ以上に重要なことだと思う。
*自然界の物質循環を具体的に見ることができて面白かった。
*あたまが破裂しました。
*頭がパニック。
*酸素生産のしくみの化学式がなつかしかった。高校生の化学の時間によく見た式だったので。
*地学の授業は、考えることの規模が大きくて、時々頭がいっぱいでよくわかんなくなる…というより人間が、自分が小さく見えて、何かいやになる。
*番組の裏側が面白い。
その他
*質問です。これまでの講義で、地球の誕生から現在に至るまで、大部分が解明されているんだと感じましたが、いまだに謎につつまれていることはあるんですか?
*この前TVでTOKIOが恐竜の化石を探していたのですが、その時出ていた地質学者らしき人は友達ですか?
*先日、和歌山の千畳敷に行ったのですが、そこも1000枚の皿が断層になっていました。ハマスレイの鉄の断層も昔、海の中で形成されたものですよね。何故海で形成されるものは断層になるのですか?
*最近いやなことが多くて、授業に出てもぼーっとしてしまいます。一生懸命な先生に申し訳なく思います。
*授業はおもしろいのだが、ビデオを見るとどうしても眠くなってしまう。
*暗くなったらやっぱりねむいです。
*かなりの睡眠不足で暖かかったので少し寝てしまいました。(寝てしまった同様1通)
*アイスランドで土地が生まれ、日本で死ぬと聞きました。しくみはなんとなくわかるのですが、なぜ、アイスランドと日本なのですか?
*グレートバリアリーフに行ってみたいんです。エアーズロックは登りました。大きいですよね。本当に。