出席カードに書き込まれた、質問と意見(要約)に対する回答(11/27火曜2限)
(砂漠と森林)
森林
*森林の誕生のしくみは興味深かった。全ては水から始まっているのだなと感じた。
そうですね。生物にとって、ありとあらゆる部分で、水のはたらきは大きいですね。
*あんなに巨大な森林や、植物の進化の仕方は、想像できないものがあり、自然の力は本当にすごいと改めて感じました。
そうですね。地球の歴史を学んでいると、すべての現象に必然性があるように思えて(実際、必然性はあるのですが)、感動を忘れてしまうときがあります。でも、実際にフィールドで植物の生き様や、化石に残ったものをみると、すごいなあ、と思います。教科書だけで自然は学べるものではないですね。
*一世代前の未開発地の地図を見たりするとすべて等高線の集まりであるのだが、とするとそこはすべて森林でおおわれていると予想される。とすると一般的に本州において温帯湿潤であるならば、人の手が入っていなければすべて森林と考えてよいのだろうか。気温差によって針葉樹、広葉樹、混合と差があると思うが。
岩場や河原など、特殊な場所を除けば、ほぼすべてが森林になりうると思います。
*森林の木々たちの闘いに生きる執念を感じました。
執念っていうのかなあ。擬人化は良くない気がする。そういう比喩を使った僕がいけないのだけど。適者生存というしくみの結果だとは思いますが、まあ、すごいことですね。
*海中にある何とかストーンから生命が生まれたのを見て、改めて地球の不思議を感じた。
ストロマトライトのことですか。ストロマトライトから生命が生まれたわけではないですが、誤解していませんよね?
*森は、森は…。コワイ。
うーん、植物はこわいかもしれませんね。
*レピドデンドロンの化石ってウエハースみたいです。いつも感心するのが、なぜあんなに植物の化石が残っているのですか?
なぜ、と問われると非常に答えにくいのですが、植物化石がたくさん出るところは、石炭層に伴う、粘土の間にはさまった植物遺体が化石になったものが多いです。石炭そのものは、石炭としての熟成が進んでしまっていて、もとの植物の組織や構造は残っていません。
*被子植物が、植物と動物との結びつきに欠かせない存在だったなんて、知らなかったのでそのメカニズムに感動した。
そうですね。そして、共生関係を生み出したグループの発展に結びついて、動物界の進化にも大きな影響を及ぼしていますね。授業でも話しましたが、われわれヒトを含む、霊長類も、被子植物の発展なしには成立しなかったかもしれません。
*植物の生き方をあらためてみてみると生き物は競争なのだと思った。
まあ、競争でもありますが、共生の世界でもありますね。競争というと、何か優れている基準があって、その優劣で勝負が決まるかのように思われますが、実はいろいろな解があって、ひとつの物差しで優劣は測れません。生き延びる道はいろいろあるということを教えられます。
*森林が水や光のとりあいなんて、どういう場でも生き残るのは大変なんだなあと思った。
そうですね。サバンナのライオンやチーター、ガゼルなどの世界だけではないのですね。
*はじめて背の高い木!?のような植物が椰子の木に似てると思った。森林を見ているとなぜか幸せな気分になった。
そうですね。よくわからないことが多いのですが、幹や葉の構造からすると、ああいう復元図になるのだと思います。もう少し、葉があってもいいような気がしますが。
*たしかに植物が陸上進出するまでは陸は砂漠だと思いました。
*最初に上陸した植物の特徴のすばらしさを知った。
*ビデオを何本か見て、植物の生命力にとても驚かされました。
*森林(大自然)だと、昆虫も育っちゃうんですね。10cmのゴキブリなんて、考えられません。
原ゴキブリ目の昆虫には、30cmに達するものもいたと記憶しますが。でも、ゴキブリはもともと熱帯の森林性の昆虫で、植物食の、分解者の役割の一部を担っている生物です。たまたま、人間の住処が暖かくて、食べ物があるので居着いてしまいましたが、北海道では札幌など大都市を除いていないし、逆に南に行くと、大きな種類が現れ、種類数も増えます。
*森林の話がおもしろかった。たくさんの生き物の生命が宿ってきたんですね。
*森の生存というものはいろいろな意味ですごいと思った。
*子孫繁栄のためにさまざまな工夫をする植物は、意外にあなどれないものだと思った。
*植物がなんで海から陸に進化していこうと思ったのかが不思議。そういう進化の歴史がほんとにすごい。
*植物が生きるために争っているのを知り、感心した。人の繁栄も、農業の発達があったわけで、結局、植物に人が選ばれるようにも思えてしまった。
*100m以上の森林なんて想像できません。さくらちゃんがくじらと大きさを比べていたが、かなりビミョーでわかったようなわからないような感じでした。
*シダ植物が森の「主役」だったんですね。おどろきです。
*VTRで4億年前とか5億年前とか言っているけど、いまいち想像が出来ません。50cmのとんぼなど、とんぼじゃありません。
うん、原トンボ目の昆虫だから、今の生物を基準にしたトンボではないですね。で、メガネウラは70cmのもいたらしいですよ。4億年、5億年というのは、まあ、想像できないと思います。数字はいいのですが、ただ、前後関係を間違えないで欲しいというだけです。恐竜が絶滅して海に三葉虫が現れては困る。
*森はすばらしい。地球に住む生命の源だと思った。森を守ることは本当に大切ですね。でも、私は花粉症なので、ちょっと辛いかも。
花粉症は、人間の側に原因があるのですが、スギ花粉がこれほど問題になるのも、日本の森林のほとんどが自然林ではなく、お金になるスギをあちこちに植えたことが原因かもしれません。
*考えてみればあたりまえかもしれないけど、森林は、以前は砂漠だったというのが不思議な感じがした。
*杉花粉の量が多くて驚かされた。
そういう意味では、風媒というのは効率が悪いのでしょうね。だからこそ、被子植物の生き方の効率性がよくわかる。
*シャジクモの水が循環する様子がキレイでした。
あの様子は原形質流動といっていいのかな。キレイでしたね。
*植物はどうして繁殖しようといろいろ進化するのかな?何かプログラムと同じような見え方がします。
意志を持って進化すると考えて欲しくないですね。あくまでも、適者生存で進化を押さえて欲しいです。人間の価値観や論理を自然の見方に持ち込むことは、往々にして問題への対処を誤るので。
*森林のVTRを見てとても感動しました。長い時間をかけて森林となった木を私たちは簡単に伐採して、ものを簡単に捨てるという行為が悲しくなってきました。
伐採してもいいのですが、そのあとをどうするかですね。森林経営は、数百年以上にわたって日本ではうまく機能して、国土を守ってきたわけですから、単純に伐採が悪であるというわけではない。きちんと林業が成り立つことは大事なことです。まあ、捨てるのはいろいろ問題がありますね。
建築との関連
*建築の思想の中に「メタボリズム」がある。110m超のセコイア、その生命維持システムを研究することは、超高層ビルの給排水システムの向上につながっている。都市交通や拡張システム等の解決方法も細胞内の構造や人体の血液循環システムと共通する部分が多い。人間の文化の歴史は生物の歴史と比べて短い。さまざまな生物の生命維持システムとその歴史が解明されていけば、その長い進化の過程で生き残ることができたシステムに建築が学ぶところはたくさんある。医学・遺伝子学、動植物学の発展が、今の都市問題から加えて地球環境問題解決の糸口になる可能性は十分ある。
そうですねえ。否定はしませんが、簡単な道ではないですね。安易に結論に飛びつかないよう、慎重に観察し、考えて、うまく自然のしくみのよいところを盗んで、建築に活かして欲しいと思っています。
*我々建築学生は「自然との共生」「緑との共生」ということをたやすく考えていないだろうか?
たやすく考えているのですか? 僕は、他の講義を知らないし、君たちの日常会話に参加していないからわからんのですが、たしかに簡単な問題ではないですね。でも、目指すべき方向としては間違っていないと思います。
セコイア
*112mある木が水を吸い上げるしくみがまだ解明されていない、と聞いて驚いた。自然は人間が考えるよりはるかに神秘的で複雑で合理的であることを改めて感じた。
いろいろいわれているのですが、完全にはわかっていないということです。自然は、わからんです。でも、だからこそ探求する面白さ、発見の楽しさがありますね。
*セコイヤという木を初めて知りました。すごい! 授業を受けるたびに地球って素晴らしいと思います。
そう思ってくれたらうれしいです。
*VTRを見ていて、センペルセコイアが植わっている森林へぜひ行きたいと思いました。100mを越える木を見るのは圧巻だと思いました。
そうですね。僕も見てみたいのですが、いつか行けるかな。
*100m以上の木があるのにはびっくりです。
音楽など
*どうでもよいんですが、BGMが全て「もののけ姫」なことが、カナリ気になりました。
*もののけ姫のサウンドはいいですね。(同様1通)
音楽は、ディレクターの注文に応じて、音効のスタッフが選んでつけてくれるのですが、著作権の絡みなどもあり、使えるものがけっこう限定されたりします。
*どうでもいいけど、花粉のあたりのVTRの音楽が壮大すぎて笑えた。
*VTRは眠くて半分目が閉じていたけど、音楽だけでも感動が伝わった。かなりのBGM効果とみた。
教師(番組監修者)としては、音楽はいいから中身を見て欲しかったのですが…。まあ、いいですけど。
「世界の砂漠」
*先生の作ったテープ、今度、ちゃんとしたのが見たいです。
年内にお見せしたいと思います。間に合えば。
*最初に見たVTRは、音楽がないだけで大分感じ方がちがく、すごく集中して聞いていないと自然に頭に入ってこない感じでした。
BGMの効果は大きいですね。自分で制作に立ち会って、威力に驚きました。
*先生のナレーションを楽しませてもらった。(楽しかった他1通)
*先生のナレーションはなかなか良かった★(良かった他1通)
*ナレーションがうまくできていなかったです。がんばってください。
やはり、こういうのはプロにはかなわないですね。僕は頑張るつもりはありません。その道のプロに任せます。
*ロードランナーがめっちゃはやい。
*先生のナレーションつきの砂漠の説明がおもしろかったです。ディレクターなど楽しそうだと思ってしまいました。
自分の好きな分野やテーマの番組だけつくれれば、きっと楽しかろうと思います。でも、構成を書いたり、収録を進めるところなど、建築と少し似ているかもしれませんね。
*早くて何言ってるのかわかりません。先生、キャスターに向いていないかも…(笑)。ちゃんとしたアナウンサーが話してるVTRが出来たら、もう一度見たいです。
はい、ごめんなさい。反省しています。
*お願いなのですが、できたらもう少しゆっくりお話してほしいです。(顔文字)
すみません。反省しています。今度僕が読むときは、気をつけます。
*砂漠の映像と解説は、乾燥のしくみがよくわかった。生態系の紹介がおもしろかった。
それはよかった。実は、あの映像が収録で一番ひっかかったので、心配でした。僕にとって初めてのディレクター業務ということもありましたけど。生物紹介のところで「愛情が足りない」といわれたし。(無機物に比べて)
砂漠
*砂漠というと、サラサラな砂とサボテンをイメージするけど、実際いろいろな要因があるし、特徴があると思った。
いろいろあるんですね。僕も、制作前に資料映像をしこたま見ましたが、そのバリエーションにはびっくりしました。それを伝えたいと思いました。
*今度、モンゴルの砂漠の砂を持ってきます。
どうも。楽しみにしています。採集地の情報もお願いしますね。
*砂漠に森林ができて、それを人間がくってまた、砂漠ができあがってるといっていたけど、これから先はどうなるのでしょうか…。今の地球はさまざまな条件が関わり合ってできあがっているんなあ、と思いました。他にもたくさんのプロセスがあったんだろうなあ。
どうなるのかなあ。僕たちに、けっこう責任が重くのしかかっていることを感じますが。今の地球のしくみも、過去の地球のしくみも、まだまだわからないことだらけです。
*砂漠は必要ですか? 今ある砂漠が緑の土地になった方が良くはないですか?
どうだろうねえ。全部緑になるのは考えにくいけれど、でも、砂漠のあるおかげで、生物分布の障壁になって、生物相の地域による多様性を生み出しているかもしれませんね。人間の(経済的な)都合で判断すべきことではないような気がします。
*砂漠って不思議ですね。「乾燥した土地」という条件だけじゃできないんですね。
まあ、そうですね。乾燥した土地になる条件がいろいろあるということなのですが、細かいことをいうと地下水面の問題などもありますね。
*もとは砂漠だけというのは不思議な感じがする。
そうですか。僕は岩石の世界に頭が染まっているので、緑の大地や動物たちを見て、不思議な感じをもつことがあります。地球型惑星としては異常な世界なのかもしれない、と。
*砂漠って地球のどのくらいの深さまで砂なんですか?
いろいろあるし、よくわからないけれど、前に紹介した番組では、電波で砂漠の砂の下の地形を読みとる話が出ていますから、平均で数十m程度だと思います。数百mには達しないのではないかと思います。もうひとつ、砂で覆われ、砂丘が続く砂漠は、砂漠の中で面積的には少ないようです。
*いま砂漠じゃないところで砂漠化してしまうところはありますか?
すでにある砂漠の風下側など、あるいはステップ地域などで、過放牧などの影響で砂漠化が進んでいたり、潅漑による塩害、熱帯雨林の伐採による土壌流出などで、これまでにない種類の砂漠化がおきているといわれます。
*寒流の沿岸に砂漠ができるというのがいまいち納得できませんでした。
そうですね。僕の説明も良くなかったかな。ちょっと考えます。
*砂漠ができるのにそんなに多くの要因があると思わなかった。ただ単に雨さえ降らなければ砂漠になると思っていた。
まあ、そういう認識でも間違いではないのですが、雨が降らないのにもいろいろ原因があるということです。蒸発の問題もありますね。
*砂漠にもいろんな種類があった。
*砂漠に生息する500℃ではじめて種が開く植物を見たときは、自然の神秘さに驚いた。
あれはすごいですね。よっぽど山火事が多いのか、どんなしくみで種を守るのか、などと考えてしまいますね。
*砂漠もすごい。
*砂漠はどこからどこまで砂漠なのだろう。砂漠の下にも固い地層があるのか。もしかしたらその地層は何かしらおこっているのではないか。
固い地層はありますね。どんなことが起こっていると想像しますか?
*広大な砂漠にはいくつかのオアシスと呼ばれる緑地帯があると思うのですが、それはどのようにしてできるのですか?
例えば山脈風下の場合など、山ろくからの地下水の流れがあるのですが、それが場所によって地表にわき出していたり、地下の浅いところに達していたりすることがあるわけです。それがオアシスの成因となります。
*砂漠の定義って何ですか。
「非常に乾燥したところ」を指すのであって、明確な定義はないそうです。
*人間にとって、砂漠によるメリットはありますか?
どういうことをメリットと判断するかによりますが…。観光資源にもなりますし。何だろう。答えにくいですね。
*先生が、砂漠はそこの場所のそのままの姿と言ったのは、その通りだなあと思った。
まあ、僕は岩石が露出していた方がうれしいという事情はありますが…。
*砂漠についていろいろ学べた。砂漠地帯とは一年中砂漠が広がっているものかと思っていたけれど、一年のうち草が生え鳥が舞う時もあると聞いて少し驚いた。
あれは特殊かもしれないけれど、砂丘が続く砂漠だけでないのは、わかっておいた方がいいかもしれません。
*砂漠で死ぬ最大の死因は“溺死”だということに驚いた。
*砂漠で溺死ってどういうことですか?
前に話したのですが、砂漠の砂は透水性が悪く、大雨が降ると地下にしみこまずに表面を流れて洪水になる、そのため砂漠地域では低いところが洪水に襲われ、溺死する人が出て、渇いて死ぬ人の数よりも多いという話です。
*黄砂は実家が九州で近いせいか大量に飛んでくるのを何度か見たことがある。
採集して、ぜひ顕微鏡で見て欲しい気がします。
*砂漠で生きている動物たちにたくましさを感じました。
*今現在、砂漠がどんどん広がってるというが、砂漠の砂が普通の土地にかぶり広がるのか、また、その土地が乾燥してできるのか知りたい。
場所により、両方あります。乾燥の他、過放牧や伐採による植生の破壊も重要です。砂漠の砂が飛んできて拡大するのは風下側だけですが、人為的要因は場所を選ばないですね。
*砂漠を人工的に緑地のようにすることはできないのですか?(人工の山で気流をコントロールするとか…)
山を作るのは無理ですね。ピラミッドを何万個作ればいいものやら。緑地化の計画はいろいろありますし、サハラでも実際に畑が作られたりしています。でも、どの程度うまく維持できるか、課題は多いです。
*砂漠といえば、サラサラの砂だけの砂漠を思い浮かべますが、VTRを見て、さまざまな砂漠がさまざまな成因でできているのだなあと思いました。
それがイメージできればありがたいです。前から言っているように、僕が提供できるのは入り口だけですから、興味を持ったら自分で調べたり、実地に調査したりして欲しいと思っています。僕はできないかも知れないけれど、いつか、君たちの誰かが世界中の砂漠を見て歩いたり、調べたり、環境保全に働いてくれたりしたら、うれしいな。
地球システム
*砂漠と森林の関係、ミネラルと生物の関係、大気循環と海流の関係等々、万物は何らかの形で繋がっていることを実感する。
*砂漠や森林の形成の仕方を見ていると、ほんとうに壮大だなあと思います。でもどこにおいても生きていくためには水分が必要なのですね。
*自然の力って本当すごい。
*酸素の量を増やしていけば、オゾン層をふたたびつくることは可能ですか?
オゾン層の破壊は、フロンに由来する塩素が触媒のような役割を果たし、分解してしまうことが問題です。酸素の濃度とは関係ありません。成層圏の塩素の除去が重要です。
*森林と砂漠のすばらしさを知りました。
*もともと砂漠であったところと、人間の自然破壊によってできた砂漠とはやっぱり全く違うわけですよね? 実際のところは破壊してしまった自然はもとの姿には戻せないと思うんですけど?
時間をかければ戻る場合もありますが、土壌を失うと、元に戻すのは大変な作業になると思います。
*生物の講義のように思えたが、地学と生物学(特に植物)は密接に関係しているのだと知れた。
地学は何でもありなのです。物理も化学も数学も使いますし、生物も学びます。地球の秘密を明らかにするための道具として、使えるものは何でも使う。知りたいのは地球のしくみです。
*砂漠と熱帯雨林(森林)どちらの面積が大きく、どのくらいあるのですか?
砂漠の方が大きいはずですが…、数値的には気候区の分類で、(熱帯雨林)Af:9.4%、Aw10.5%、(ステップ)BS14.3%、(砂漠)BW12.0%だそうです。(最新地理統計1999年版、古今書院)
*すぐれたものだけが生き残るという、人間社会では露骨に見せない部分が見れた。
なにをもって、すぐれたものと判断するのですか。優れた資質というのは、いろいろあるのです。足が速いとか、子孫を大事に育てるとか、数多く産むとか、乾燥に強いとか、隠れるのがうまいとか。それは、人間社会にも少し似ています。
*地上は思っているよりきびしいかんきょうだと思った。(なにげなくくらしているけど…)
*生命がシダ植物たちから進化したというのは、考え難い事実です。生命の進化は考えられないほどの時間が流れていますが、正直数字上でしかわからないので、実感するのは無理です。しかしそういう植物たちが我々の先祖なら、もっと大切にすべきでした。もう、遅いかもしれないですけど。
まだ遅くないです。「生命がシダ植物たちから・・・」というのはどういう意味ですか?
その他
*やっと学祭が終わり、普段の生活に戻りました。講義も久々に受けられました。
はい。休まずに出てきてください。
*映像がとてもきれいで美しかった。
*メキシコではサボテン食います! しょうゆで炒めると、日本人に合ったお味になります。けっこうネバネバしていて、オクラみたいなかんじでうまいです。日本人にはきっと考えられないんだろうけど、メキシコでは当たり前で、やっぱり、そういうのが地域性って奴で、大切にしていかなきゃいけないコトなんだろうな、と思う。
僕も学部生時代に食ったことあるような記憶が…。けっこう食べられますよね。地域性は大事です。
*サボテン育てたことありますか? もののけ姫が見たいです。
一昨年の忘年会でもらったサボテンの鉢があり、それが僕の家で唯一生き延びている生物です。(僕の家は砂漠か!?) もののけ姫は自分で見てください。
*紫外線を有害と感じない(むしろ紫外線を必要とする)生物はいるのですか?
基本的には、DNAを壊すので、いかなる生物にも有害なのですが、あえて言えば、紫外線殺菌を利用したり、日焼けサロンに通う、ヒトという生き物くらいかな。
*いつも同じVTRを見るような気が、まあ、くり返しやって覚えて勉強になるのでいいですが。
ごめんなさい。植物の進化の説明に使えるCG素材が、Nスペ「生命」の時のものしかなくて、使い回しています。毎回、説明は全部違っているのだけど、注意して聞いてくれているかな。
講師について
*いつも思うのですが、先生は、もちろん今も研究者の一人だと思いますが、いろいろな仕事とかけもつのでなく、純粋に研究者としてやっていきたいとは思いませんか? 客観的(主観的?)ですが、凄く向いていると思うのですが…
研究者としての仕事だけで給料がもらえれば、いろいろな仕事と掛け持たずにすむのですが。世の中、生きていくのは大変なのです。ポストがあれば…。向いていると言ってくれるのはうれしいけれど、悲しくもあります。
*こんなにもおもしろいことがたくさんあるのに、どうして無機物一本につき進むことができるのですか。
ぐさっ。僕の根幹に関わることを…。無機物にこだわることで、生き物の世界のしくみが、違った面から、くっきりと見えてくるというメリットもあるのですよ。もうひとつ、目前の風景の中に、大きな時間と空間の広がりを読みとれるのは、地学の問題意識からで、生き物の世界に密着していると見えにくいことかもしれません。
講義内容の要約
*砂漠→複数の要因が重なり砂漠はできる。またその中には生態系があり、たくみに生きている生き物たちがいる。森林→この世は極端に言えば、砂漠か、森林か、管(?)や胞子、種子などにより生存の場をひろげてきた。森は闘いの場であり、光獲得は特に重要。
植物の進化の道筋について、簡単に触れて欲しいですね。
*砂漠が出来る要因には、4つの条件のいくつかが重なっている。植物が陸上に進出して、進化したことにより、陸上動物が生活している。
そうですね。4つの条件は言えますね。もう少し丁寧に書くとどうなるかな。
*砂漠と森林には密接な関係がある。森林が形成される以前は陸地は砂漠だった。人類は森林を利用することで文明を発達させた。また、人類が森林を過剰に利用した結果、再び砂漠化しているところもあり、土壌流出などによる被害も深刻化している。
うむ。ほぼよろしいと思います。砂漠と森林の密接な関係とは?