出席カードに書き込まれた質問(5/14火曜1・2限)
2002前期第5回(植物の進化と化石燃料)
(1限)
講義内容の要約例(青字…加筆、赤字…訂正)
*植物が陸上で(の生活に)適応するためには、まず表皮で乾燥を防ぐことが重要である。水辺では胞子でもよいが、乾燥した地域で子孫の繁栄をするために種子植物が誕生した。(9917054)
#「子孫の繁栄をするために」ではなく、進化の過程でそのようなしくみを生み出したグループの植物が、より地表の広範囲の環境に適応し、繁栄した、ということです。一般的に、進化は何世代もかけた生物の試行錯誤の結果だと思ってよい。うまくその場の条件にあった形質をもったものが、個体数や種のバリエーションを増やすのです。
*水中から酸素がつくられることで、大気中に酸素(O2)ができ、それによりオゾン層(O3)が形成され、陸上に植物が生息できるようになった。陸上植物が地中に埋まり、地殻変動による圧力で、炭素のかたまりである化石燃料ができた。しかし、それを人間が消費することにより、大気中のCO2濃度が高まり、温室効果が高まった。(0017075)
#地中に埋まるだけで大きな圧力がかかります。水に潜れば水圧を感じるでしょう。地中では土や岩石の密度が大きいので、深さに対して、水の2、3倍くらいの圧力がかかります。石炭は、地殻変動のない、安定大陸の地層に多くたまっていることも重要です。
質問
(燃料資源の未来)
*現在、人工的に石油を造り出す研究がされているようなのですが、今後、エネルギーとして注目されるのはどういったものが挙げられるでしょうか?
*もしも地球から石油がなくなったら、太陽エネルギーなどで石油を補えるのですか?
*今の人間に石油、石炭がなくなってもやっていけるという何か代わりのものはあるのか?
#エネルギー問題に関しては、できれば自分で資料を探して調べてみてください。僕は詳しくありません。太陽光発電や風力発電は小規模に行われていますし、まだかなり増やす余地があります。植物性のアルコール燃料や、埋蔵量が大きいと考えられる天然ガスへの移行も考えられます。しかし、完全な置き換えは難しいでしょう。
*化石燃料はあと何年くらいもつのか?
*あとどれくらいで石油、石炭がなくなるか?
#わかりません。「なくなる」というのは、ある日突然なくなるというより、だんだん値上がりして、気軽に使えなくなるということだと思います。1970年頃には、石油はあと30年でなくなる、といわれていましたが、その後の油田の発見などによる可採埋蔵量の増加で、まだ数十年はなくならないだろう、と考えられています。
*どうして化石燃料を環境資源を使わずに、短期間で作ることができないのか?
#太陽エネルギーというのは、世界中かなり平等に、薄く広く与えられるものです。その太陽光のエネルギーの一部を植物が光合成に用いて、植物体を作り、そのごく一部が埋没して、化石燃料になる。与えられたエネルギーに対して、ほんのごくわずかが化石燃料に変換されて保存されているのです。何千万年、何億年という単位での時間をかけて蓄積しているので、1年あたりの生産量はわずかでも、膨大な化石燃料が地下に蓄えられたのだということです。その時間の効果は、人間には再現できない。
*化石燃料を使い果たしたら、他に頼るものはあるのですか?使い果たした頃の日本の気温はどのくらいと予測されるか?
#気温上昇は、世界的にはいろいろ推定があって、今世紀末で1度から5度くらいの範囲ではなかったかと思います。自分で調べてレポートにしてみませんか?
*化石燃料の使いすぎはやはり良くないことなのですか?
#「使いすぎ」であれば、良くないことだと思います。本当に必要なところにだけ使うようにしたいものです。
*わざわざ掘り起こすほど、化石燃料は燃料として効率がよいのか?今までに蓄積された炭素が二酸化炭素として放出されてしまうことを考えると…
#効率はよいですね。生の木(まき)を燃料にした場合に比べて、単位重量あたりのエネルギーが大きいですし、石油のような液体は輸送や貯蔵に便利です。しかし、おっしゃるように地球環境への影響をコストとして考えると、最終的な効率はよいかどうか、疑問です。便利さの誘惑を断ち切れるかというと、難しいのですが。
*生物の遺骸である化石燃料は、その遺骸の中に人間も含まれているのですか?
#太陽エネルギーを炭素(有機化合物)として固定するのは、生産者としての植物の役割です。動物は、生態系のピラミッドを考えるとわかるように、植物に対してごくわずかの生物量(重量)しかない。まして、生態系のほとんど頂点にいる人間は、たくさんいるように見えても、生物量としてはきわめて少ない。ですから、化石燃料を作るには全然足りません。
*今から化石燃料を全く使わずに何億年も経つと、化石燃料は回復していくのですか?
#回復すると思います。
*化石燃料は今でも生まれているのですか?
#生まれています。泥炭でいえば、都内でも石神井公園の三宝寺池などで、2000年にわたって堆積した泥炭があるそうですし、北海道には低湿地のかなりの場所で継続的に泥炭ができています。これらが石炭まで熟成できるかどうかはわかりませんが、可能性はあります。
(化石燃料の種類)
*化石燃料は全て生物の遺骸の蓄積によるものなのですか?それならばどうしていろいろな種類に分かれるのですか?
#非常に難しい質問なのですが、もともとの材料の違いが反映していると考えることができます。石油は、もともと脂質の多い珪藻などのプランクトンの死骸が原料になっているのに対して、石炭は陸上植物のセルロースであることなどです。
*メタンハイドレートは何の化石ですか?
#はっきりとはわかりませんが、可能性としては、その多くが植物プランクトンに由来するものだと思います。
*泥炭から石炭になるまでにはどのくらいの年月がかかりますか?
#わかりません。わかりませんが、第四紀の堆積物では石炭とは言えないので、一般的に数千万年というところではないでしょうか。条件によると思いますが。
*植物が石炭になるか、そのままくさってなくなってしまうかの違いはどのような原因でできるのですか?
#よい質問です。植物遺体が分解されるには、酸素や水があって、分解者であるバクテリアや菌類が活動できることが必要です。そうすると、植物遺体が埋没して、空気(酸素)から遮断されることと、ある程度は分解されるのは仕方がないので、分解を上回る生産量があることが必要でしょう。
*湿地帯以外で石炭はできるのですか?
#海底でもできるようですが、量的にはそれほど多くないようです。
*地球はだんだん環境が悪くなっていると思うのですが、これから大丈夫なんですか?
#僕も心配です。
*増えてしまった大気中の二酸化炭素を減らすことはできるのだろうか?
#100年単位で見ると、海がかなりの量の二酸化炭素を吸収してくれています。しかし、温暖化もあって、それが今後も継続できるかわかりませんし、化石燃料をいまここで全面的に使わなくなっても、簡単に減らすことができないのは確かです。
*エネルギー消費の改善により、今の温度を現状維持か、下げることはできるのでしょうか?
#わかりません。単純ではないと思います。
*化石燃料の消費を押さえるために、私たち一人一人が日々の生活の中でできることは具体的に言えばどういったことなのですか?エアコンの使用を減らすというのは、実際どれぐらい効果があるのですか?
#環境白書などに、具体的なデータがあったと思いますが。一国の国民全体では、かなりの効果があります。かつて、オイルショックの時の省エネ運動の効果はなかなか大きかったものです。不況もありましたけど。
*大気中のCO2を減少させるには炭素からできている動植物を化石化させてCO2を閉じこめるしかないのですか?
#基本的にはそういうことです。一時的には海水にかなりの量が蓄えられていますが、これも生物が固定しないと放出される可能性があります。
*CO2を盛大に吸収する生物が今後誕生するのか?
#どうでしょう。わかりません。地球史的に見ると、今のCO2濃度はそんなに高くない。中生代のある時期には今の6倍くらいあったという計算もあります。
*森などまとまったところにある木でなく、道路の脇などにある植えられた木にもそのような効果(CO2の吸収と固定)はあるのですか?
#あります。ただし、効果はそれほど期待できないし、枝や葉を焼却炉で燃やしてしまうなら、さらに期待できませんが。
*地層にある石油を取りつくして地殻変動は起きないのか?
#地殻変動というのではないのですが、アメリカで、石油をくみ上げた油田の深いところで、地層のすきまの石油が抜けたために圧力が下がり、地層がつぶれるために、ごく小さな地震が起きているという事例はあります。
(森林の気候変動への影響)
*「O2分圧が増大すると一方で寒冷化?」とプリントに書いてあったが本当か?
#地球史的には、そういうことがあったと考えられます。大森林が発達して石炭がたくさん作られた石炭紀後期(約3億年前)には、ゴンドワナ氷床ができていますし。ただし、中生代はそうではなく、一般的に温暖で、かつ酸素、二酸化炭素がともに高かったと考えられています。
*地球温暖化はこのままいくといつ頃に大きな影響が出るのですか?
(植物の生存競争)
*光の競争で負けた植物はどのくらい絶滅しているのですか?
(植物の進化)
*今と昔の植物の大きな違いは何ですか?
#やはり、最大の違いは花と実をつける被子植物の存在でしょうか。特に、昆虫と鳥類、哺乳類などとの共生関係は、白亜紀初期(約1億年前)と考えられる被子植物出現以降にできたものですから。
*どのようにしてシダ植物から種子植物へ進化したのですか?
#これは僕には答えられません。プリントに挙げた参考書を読んでみてください。
*今後、植物も哺乳類も(目に見えるほどに)進化することはあるのか?
#進化すると思います。いままで、ここ200万年足らずの第四紀でも、哺乳類は様々な進化をしてきたわけですから、今後進化がストップするとは考えにくいです。ただし、これからは人間による生物への影響が無視できず、それまでの進化と同じようなパターンとは言えないでしょうけれど。植物の進化は難しいのですが、ガラパゴス諸島の植物など、隔離された場所での進化はよく知られていますので、たぶん様々な可能性があるのだと思います。
*生物は長い期間をかけて進化してきたのだが、今も、生物は進化の途中なのですか?
#そうです。進化は、遺伝子の変異や生物群の隔離、自然選択の結果、目に見えない形で(特殊な場合は観察可能だとも言われるが)信仰していると考えていいでしょう。この場合の進化の定義が難しいのですが。
*小さい虫などを食べる食虫植物というのがいるが、この種の進化経路はどういうものか?
#わかりません。よかったら調べてみてください。
*進化の過程で胞子を飛ばす植物から種子植物になる途中の植物は、胞子と種子の両方を持っていたのですか?それとも突然変異で生まれたのですか?
#参考書の説明を読んでみてください。
#授業で説明したとおり、おそらく人類を含め、脊椎動物が陸上で発展することはなかったでしょう。
#化石記録がきわめて残りにくいので、わかりません。ですが、最初の植物(おそらく緑藻)の出現とそれほど時間差がないと思います。ですから早ければ20-24億年くらい前、遅くとも5-6億年前でしょう。
#一部というのは海岸の一部という意味ですか? 泥の供給がないと生えないようです。マングローブは陸上植物で、根が海水に覆われても生きていけるような、特殊なしくみを作り出した植物たちの総称です。「科学デジタル質問箱」のホームページで探してみてください。http://www.nhk.or.jp/box/
#根は別にして、茎の部分?はそうだと思います。スギナなどもそうですよね?
(昆虫)
*3億年前、昆虫は数十センチのものがたくさんいたが、今はなぜいないのか。特にゴキブリはなぜ小さくなったのか?
#ひとつの可能性は、3億年前には捕食者があまりいなかったからではないか、ということと、もう一つは、酸素濃度が高く、気管を通じた呼吸をする昆虫にとって、身体の大きさには酸素を運ぶ限界があるが、その制約が少なかったという可能性があると思います。本当のところはわかりませんが。
(動物の進化)
*大昔の生命は新しい環境に応じた進化をとげるが、人間はそうならないのか?
#わかりません。人間の場合は、自らが作り出した環境の中で生きていますから。その環境に合わせて進化というか、変化していく可能性はあるでしょう。
*海の動物が地上に上陸したのは何億年前くらいですか?
#たぶん5億年くらい前、もしかするともっと前にいたかも知れません。
*今も大陸は移動や分裂をしているのですか?
#しています。GPSなどの観測データでも、動きがわかります。今学期の後半で扱います。
(2限)
講義内容の要約例(青字…加筆、赤字…訂正)
*水の中にいた植物は進化を遂げ陸上で生活するようになり森を形成していった。そしてその植物やそこで生活する動物たちの死骸から石炭・石油は作られていった。(0116061)
#動物はあまり化石燃料に影響しないです。あるものは上陸し、そこで繁栄し、別のものは水中での生活で繁栄を続けたということです。人間は陸上生物なので、自己中心主義に陥りがちですが、海の植物プランクトンこそが地球の環境を保持しているとも言えます。
質問
(オーキフェノーキー湿地帯)
*VTRで、根の方が水に浸かっている樹木がありましたが、何十年も水に浸かったままで腐らないのですか?
#そうですね。植物の専門家に聞いてみます。
(化石燃料)
*化石燃料ができなかったら、今、私たちは何を燃料にして生きているのか?
#生きている、あるいはつい最近まで生きていた植物でしょうか。
*天然ガスなど、その他のエネルギーも植物が原料になっているのですか?
#植物がほとんどだと思います。光合成の生産量からいって。
*天然ガスはどのような場所でどのようにして採られているのですか?
#油田で石油とともに出てくる天然ガスがあります。これを回収している場合(例:アラスカ)もあるし、ガスだけ出てくるガス田もあります。メタンハイドレートというのも、天然ガス(メタン)の保存状態の一種です。
*天然ガスはどうやってできるのか?
#有機物が地下で分解してできる、メタンやエタン、ブタンなどの、比較的単純な炭化水素です。石油や石炭の熟成過程で、あるいは石油や石炭にならない有機物(ケロジェン)の地下での熱分解過程で作られます。たぶん。
*我々は化石燃料でエネルギーを生み出して生活していますが、(化石燃料)資源を使わないでエネルギーを生み出す方法はないですか?
#風力や水力もそうですが、できるだけ現在の太陽エネルギーを利用することを考えることではないでしょうか。植物の光合成も太陽エネルギーの利用のひとつだと思います。
*もっと地球にやさしい燃料は開発されないのですか?
*人工的に石油は作れないものか?
#他の材料から石油と同じような有機化合物を作ることは可能ですが、そのためにエネルギーを消費します。そのエネルギーが化石燃料で作られた電力であるとすれば、あまり意味はなくなります。
*石炭は今の技術で作ることはできないのか?
*石油・石炭のできるメカニズムがわかるなら、それを応用して化石燃料を作れないのか?
*もうすぐ石油・石炭がなくなるということですが、作り出すことはできないのですか。時間がかかりすぎるためですか?
*石炭を今から後世に残すことはできないのですか?
#できると思います。
*石油や石炭は現在でも作られていっているのか?人間が石油や石炭を作っていくとあと何年持つのか?
*化石燃料の消費を減らしても、やはり近い将来化石燃料はなくなってしまいますか?
*いまから未来の地球へと化石燃料を残すことはできるのですか?どのくらいの時間があれば?
#化石燃料の生産は1000万年単位です。人類には、難しいかな。植物性燃料のような、別の方法があると思いますが。
*石油と石炭の違いは、動物か、植物のたまったものの違いでしょうか?
#どちらも、ほとんど全てが植物(光合成生物)由来だと思います。
*石炭・石油のもととなる化石はなんでもいいのですか?
*私たちも石油になるのですか?
#努力しても難しいです。
*石油はどのように液体になるのですか?
#難しいのですが、材料と考えられる珪藻には、もともと液体になりやすい、脂質などが多いようです。
*どうしたら遺骸が石油のように液体になるのか?地下ではどのような現象が起こっているのか?
#非常に難しい質問ですが、ちょうど
*化石燃料はいつの時代から使用し始めたのですか?
*そもそも人は、化石燃料の現在の使い方に、どういうプロセスで気づいたのでしょう?燃やさなければ良かったのに。
*石油・石炭の他に、何千万年もかけてできた貴重な資源はあるか?
*油田があるところは、大昔、生物や植物が大量に同じところに滅びたということですか?
*資料に載っているオイルサンド・オイルシェール、メタンハイドレートとはどんなものですか?
*化石燃料は地球上何種類くらいあるのですか?
*湿地帯をわずか数十年でつくり、化石燃料を蓄積する技術はないか?(同様1通)
#短期間で化石燃料を作るのは非常に難しく、人工的にやろうとするとエネルギーを消費するので、本末転倒になります。むしろ、短時間で見ると化石燃料というのはエネルギーを保存する方法としては効率が悪いのです。
*石油や石炭はあと何年で掘り尽くされるのか?
*最近、“石油は無限にある“という話を聞いたのですが、本当なのでしょうか。石油をとってもとってもなくなる気配がない、とのことですが。
#だんだん取れなくなって、価格が上昇していくことが考えられます。なくなるかどうかということより、地球環境問題の方が重要です。
*石油ができるまでには長い年月が必要となるので、石油がなくなってしまうことはないのですか?
*化石燃料はあと何年くらい持つのか?化石燃料を使い果たしてしまったら、それに代わるエネルギーはあるのか?(同様2通)
*石炭、石油がなくなったときの対応は、今もうできているのですか?またそれは何ですか?
#あまり対応できているとは思いません。
*化石燃料が海によってとじこめられていなければ、動物は熱すぎて生きていけないですか?
#二酸化炭素の温室効果のことですか?非現実的な仮定ですが、そういうことになるでしょう。
*石炭や石油にならなかったものはどうなるのか?
#よい質問です。岩石(堆積岩)の中に、有機化合物(ケロジェン)や炭素(石墨)として、散らばって保存されます。その量は実は化石燃料になるものよりはるかに多いのです。
*他の新しいエネルギー源は見つかり得るのですか。(同様1通)
*石油に代わる代替エネルギーで、光合成などを利用したクリーンな太陽電池などはないのですか?
*今後、何の発電を中心に進めていくべきでしょうか?太陽発電か原子力だと思いますが。
*石炭は何℃で燃えますか?
#データ集で着火点、発火点の温度の一覧を調べてみていただけませんか。
*化粧品に入っている石油というのは、体に悪いのでしょうか?
*日本で石油がほとんどとれないのは堆積盆地がなかったからなのですか?
*なんで陸の外側に堆積盆地の油田ができるの?
#堆積盆地のできる条件は、ある程度長期間にわたって沈降が継続し、かつ、陸域からの土砂の供給がたくさんあるところです。特に、大陸が割れていくところは、この条件に当てはまります。そのため陸の外側に堆積盆地ができて、油田ができやすいのです。
(地球環境)
*化石燃料によってSOx、NOxが発生し、地球温暖化が進んでいますが、そのSOx、NOxはなぜ上空で酸素と反応するのですか?地上では?
#地上でも起きますが、上空でオゾンが比較的あるところでは、窒素酸化物や硫黄酸化物の酸化反応は起きやすいでしょう。
*今、温暖化現象だけど、このままひどくなったら異常気象になるのか?あとどれくらいでなるのか?
#すでに異常気象は各地で起きているようにも思います。
(センペルセコイア)
*センペルセコイアはなぜあんなに大きくなる必要があったのですか?
#よくわかりませんが、大きくなることが有利だった何かがあるのだろうと思います。自分達の中での競争かな?
*112mになった杉がありましたが、それ以上伸びるにはどこが変わればいいのですか?
#木材の強度計算から何か言えないでしょうか?
*実際、木はどこまで伸びていくことが可能なのですか?
*112mの巨木の根はどのくらい長いのですか?
*センペルセコイアの森に他の太陽光を必要とする植物は共に生活できるのですか?
#下草は生えていると思います。樹木は無理でしょうけれど、暗くても生きていける植物は共存できます。
(植物の進化)
*水の中にも植物があると思うが、そうした植物はなぜ陸上へ行かなかったのか?
#水の中での生活に充分適応し、繁栄しているということではないでしょうか。
*動けない植物が、淡水から陸上にどうやって移動したのか? また、いままで水のあったところから乾燥したところへ来て、すぐに環境になじめたのか?
#生活の場所を拡大し、より水の少ない条件でも生きていけるものが現れた。それは他の競争相手がいないから、子孫を残すことができる。要するにフロンティアの開拓だったということだと思います。
*植物は枯れ、また寿命の短いものもあるが、その枯れるというのは進化の一部になるのか?
#まあ、個体の死がないと進化は成立しないと思います。
*植物が子孫を残す方法を胞子から種子に変えるのに、どのくらいの時間がかかったのですか?また、そうして内陸部に広がった植物が地球を覆うまで、どのくらいかかったのですか?
*種子は何がどうやって進化したのですか?
*巨大なシダ植物はなぜ残らなかったのですか?
#すみません。参考書を読んでください。僕には正しく答えられません。
*陸上に一番最初に生えていた植物は何植物ですか?
#よい質問ですね。最近はシダ植物ではなく、たぶんコケ植物、あるいは緑藻ということも考えられています。
*植物がこの先動けるように進化することはあるのですか?
#動くということの定義にもよりますが、四肢を持つような進化は不可能だと思います。
*食虫植物などが進化して、歩けるようになったりはしないのですか?
#歩くためには器官として何が必要か、それが問題です。自分で根を抜いて運動するのでなければ、種子や胞子など、すでにさまざまな移動手段を持っているのではないですか?
*植物が生まれるには、どのような条件と偶然が必要なのだろうか?
#難しいですね。どのような植物について答えればいいですか?
*植物が陸上へうつったのは進化する条件が偶然できたからか?それとも陸上へ移ろうとして進化したからか?
#目的論的な進化というのは正しくないです。生物はいかなる環境条件にも進出する可能性を持っていて、紫外線などの制約条件がはずれたときに、わっと新しい環境に進出するのだと思います。たくさんの試行錯誤がないと進化はできないのです。
*もし植物が大気中へ進出できなかったら、人類も進化していけなかったのですか?
#授業で話したとおりです。この酸素の多い大気を誰がつくったかということです。
*オゾン層が形成されず、赤茶けた大地のままだったとしても、生物が海にとどまらずに、また違ったアプローチで上陸できた可能性はありますか?
#いい質問ですね。現在の地上に見られる地衣類のような形で、菌類とシアノバクテリアの共生体のような生き方もあっただろうと考えられています。
*海藻や海の中の植物にはミネラルが多いのだろうか。ワカメとか昆布は多いらしいけど。何でミネラル豊富なんだろう。
#海は表面から水が何度も蒸発して煮詰まっている(塩辛いのもそのせい)からではないでしょうか?
*マツバランが陸上植物の原形であり、この形がいずれ葉になったのに、どうして現在、マツバランが存在するのですか?
#ああいう単純な形も生き方としてうまくいっているということです。今のマツバランが、昔と全く同じものだとは思いません。
*シダ系は水辺にしか生息できないみたいなことを言っていたが、家の庭にあるのはなぜですか?
#日本は世界的に見て湿潤な場所だからです。砂漠周辺の乾燥地帯には見られないのでは?
*シャジクモは水中で胞子を出すのですか?
#胞子というのではなく、遊走子というのだったと思いますが、そういうものがあったと思います。胞子は、陸上の乾燥に対して「殻」を持つことで自分を守るしくみだと思います。
(昆虫)
*森の中では数十センチもあるゴキブリやトンボがいたといっていましたが、今はとても小さい虫たちが大きかったのは何か理由があるのですか?
*昔は直径2mもの巨大な樹木や昆虫がいたそうですが、それが今小さくなってきたのはなぜなんですか?
#1限の回答で書いたものでわかりますか?
(脊椎動物の進化)
*魚にはウロコがあって、カエルにはウロコがない。爬虫類はまたウロコがついたのですか?
#うーん、そうですね。難しい。ウロコは比較的簡単に発達できるものらしい、というのは説明になっていない気がしますが、鳥類のように羽毛に進化するものもあるのですよね。
*動物で、水中ではなく空気のあるところで受精するものはないのですか?
#質問の意味がよくわからないのですが、基本的に液体の中で受精が行われるのは共通のような気がします。
*テレビで限りなく純系に近いマンモスしかできないと聞きましたが、それはうそなんですか?
*生物の生態系の中で人は全く異質のもので別だと思うのですが、先生はどう思いますか?
#雑食だと思いますが。肉も食べるという意味では、樹上生活から地上への生活に移行したときが大きな変化ではないでしょうか。肉食の割合の増加は、道具の発達と関係があると思います。
(オゾン層)
*この間のビデオでは、オゾン層は酸素がある濃度になるとつくられると言っていましたが、今日のビデオでは酸素が太陽の光と反応してオゾン層ができたと言っていました。違うのはなぜですか?
#酸素が大気中である濃度になると、紫外線で分解された酸素どうしが出会う確率が高くなり、オゾンができるようになります。同じことです。
*O2の大量発生でオゾンO3がなぜ発生したのかを知りたい。
*現在、CO2の量を減らし酸素の生産が当時と同じ位になったら、オゾン層は再生するのでしょうか?
#オゾン層の破壊はCO2とは関係ありません。フロンによってもたらされた上空の塩素原子が問題です。
*地球環境が生まれたころにもどる(特にオゾン層)ことはありえますか?
#どの時点を指しているのかわかりませんが、ありえると思います。
*現在オゾン層は新しく作られているのですか?
#作られるけれども、消費に追いつかないのでしょう。
(石炭標本)
*見せてもらった石炭で、どのくらいのエネルギーを持っているのか?
#1グラムあたり6000キロカロリーくらいではないでしょうか。瀝青炭という種類だと思います。
(森林)
*森をこわさなくても良い方法はないのでしょうか?
#人類は森を壊しながら文明を発達させてきたのですから、難しいですね。
(その他)
*なぜ先生は給料が上がらないのか?
#わかりません。態度が悪いからか?
*VTRではよくオーストラリアが出てくるが、他にオーストラリア並みの情報量を持った土地はないのか?
#地質学的には、南アフリカも面白いところです。
感想・意見(抜粋)
*建築に挫折しても、しなくても、ぜひ地球環境を勉強してみたいです!
#うれしいですね。頑張ってください。
*化石燃料が偶然の産物であることにおどろいた。
#完全な偶然じゃないんですよ。そこにはそうなる理由があって、だからこそ昔の地球を研究する意味があるのです。その知識を現在と未来に活かすためにも。
(標本の感想)
*石炭を手にとって見たのははじめてで、あのひとかけにどれだけの時間がかかったのだろうと考えると、使ったらなくなってしまう存在でとても貴重なのに…と、使ったらいけないような気になってしまった。
#そうですね。貴重なものですね。そう思ってくれるとうれしいです。
*化石燃料の使い方がこれからの人類の課題ですね。
#そう思います。
*質問の回答時間が長いと感じました。質問の回答は興味深い内容ですが、先生の講義の時間が減ってしまうのが残念。
#今回は全部ではないにしろ、プリントできましたが、こうすると時間の節約になると思います。できるだけこのような方式で行きます。