出席カードに書き込まれた質問(7/9火曜12限)

2002前期第12回(水循環)

 

講義内容の要約例青字…加筆、赤字…訂正)

*海の水が蒸発して雲ができる。雨が降り、川や地下水になる。地下水になるとき、岩石の中に含まれていたカルシウムやマグネシウム等の陽イオンが水に溶けて、ミネラルウォーターになる。(0217109)

#合格点ですが、土壌の役割、鉱物の分解によって供給されること、を加えると完璧です。

*ミネラルウォーターに含まれるミネラルは、雨として降った水が流れていく段階で、岩石中の物質が溶けだしたものである。そのため、取水した土地の地質を反映していると言える。(9931298)

#そう、水も情報を運んでいるのですね。

*水は地球上を循環している。その過程の中で、鉱物の中に含まれている、鉱物質(Ca,Mg,Naなど)のミネラルを運び、あらゆる生物の栄養摂取の手助けをしている。我々人間にもそのミネラルは食物連鎖によって摂取できるのである。(0031068)

#「あらゆる生物の栄養摂取の手助け」というのはよい表現ですね。シビレます。光合成のための葉緑素のMgとか、確かにそうですね。しかし、筋肉のカルシウムイオンや、イオンチャンネルなど、ミネラルと呼ばれる陽イオンは生命維持のために本質的に必要なものですから、そのことも書き加えられるとなおよいですね。

*水は重要だ。私たちが使っている水は、一年に海水の4000分の1の水蒸気が雲となり雨となって降ってきた水だ。この水も川を下って海へ戻っていくというように循環している。雨が地下にしみこんでできる地下水は、その土地の地質を色濃く残し、Ca2+,Na+,K+といった鉱物質がとけこんでいる。水は、運び、削り、とかすなど様々な機能を持ち合わせている。(0116013)

#よいまとめです。機能というのはちょっとちがうかな。「はたらき」くらいにしましょう。

*黄河はチベット高原の源流から、黄土高原の黄土を削りとって流れているために黄色の川になっている。何回も流れを変え、土砂埋め立て、平原をつくりだしている。3000年の間に7回も流れを変えている。(0116085)

#黄海の名前の由来も、黄土が流れ込んで黄色になっているかららしいですね。黄土高原は中流域ですので、そのことを書いてくれるといいな。

 

主な質問と回答

*硬水と軟水の違いは何か

#主にカルシウムイオンの濃度の大小です。多い方が硬水、少ないと軟水です。ですから、石灰岩地域では硬水になりやすいです。日本のほとんどの水は軟水。ヨーロッパは硬水も多いです。地下水の滞留時間が長いことも大きいですが。カルシウム以外のイオンもカルシウムに換算して含めます。

*水がミネラルを岩などから溶かしだしているが、動物がその水を取り入れる時、害となるようなものはないのか?

#あります。ただ、濃度の問題が大きくて、微量の金属元素は生物に必要だが、濃度が高くなると害のあるものはたくさんあります。カドミウムも多いと毒ですが、なくても困る。銅イオンは無脊椎動物(ヘモシアニンを使うもの)には有毒です。だから銅鉱床地域の川は生物が少なくて澄んでいることがある。

*黄土高原の黄土は、この先なくなることはないのか?

#氷期に大量に風で西の砂漠から運ばれた砂ですので、このままの条件が続けば、減っていくことは考えられます。でも、あと数千年はなくならないでしょう。次の氷期がいつくるか、それ次第ですね。

*なぜアマゾン川はくねくね曲がっているのですか?

#蛇行しているのはどちらかというと上流の地域で、そこは土砂の供給がある一方、傾斜が緩いので、流路に土砂がたまって蛇行しやすいのでしょう。上流域は巨大な盆地を形成していて、おそらくアンデスからの土砂をそこでためているため、アマゾン川から大西洋に流出する土砂が少ないのでしょう。

 

感想・意見

*ミネラルウォーターのできかたをはじめて知りました。井戸水みたいなものだと思っていました。

#いえ、その、井戸水でもあるのですけど…。

*私は鹿児島からこっちの方に来たのですが、水道水が飲めなくてビックリしました。井戸水は最高においしいです。

#おいしい水のところで育ったというのは、それだけで財産なのかも知れませんね。