武蔵工大・工学部 都市基盤工学科、建築学科 専門基礎科目
5 石炭と石油のできかた …森林形成とプランクトンの役割
われわれはどこから来たのか 第5回
2003.5.13 地学#05 萩谷 宏
キーワード:化石燃料、陸上植物、オゾン層、植物プランクトン、大陸移動
化石燃料の意味するもの
炭素の貯蔵…地表での物質循環から除外したもの …生物の光合成活動の産物
化石燃料の消費…地表での炭素の流量の増大 二酸化炭素濃度増加 →地球温暖化
植物の上陸の条件
オゾン層の形成 紫外線のカット
地衣類…菌類とシアノバクテリアなどの共生
表皮、胞子、維管束 さらなる乾燥条件への適応…種子
根・茎・葉の役割分担 →海藻ではあまり必要ではない。陸上生活のための適応。
二叉分枝 マツバランの例。陸上植物のひとつの基本構造。肥大化すると葉。イチョウの葉脈。
森林の形成
森林システム 土壌形成、物質循環、生態系、水循環
森林の樹木…光の奪い合い 林で上を見上げると、すきまを狙って枝を伸ばしている
いかに光を奪うか→背伸び競争…樹木 水を運ぶ必要、身体を支える必要
硬い組織で身体を支えるため、分解もしにくくなる。埋没して石炭になることにつながる。
有機物の埋没…酸素を大気中に蓄積 ”陸上植物なかりせば、人類出現すること能わず”
石炭のできるまで
古生代石炭紀(約3億年前)のシダ植物の大森林
陸上植物の出現、大陸衝突による大山脈の形成、巨大な湿地の形成、埋没と続成
地球環境への影響
大気組成の変化 二酸化炭素消費、炭素の埋没…酸素分圧増大 一方で寒冷化?
*化石燃料の消費→石炭形成の逆プロセス
二酸化炭素の放出 …地球温暖化問題
硫黄酸化物による大気汚染 脱硫装置の必要性
石油はどこでとれる
主要な油田の分布、地質構造の特徴、時代分布
白亜紀の海 …プランクトンの繁栄
大陸分裂と石油形成 …巨大な堆積盆地の形成
その他の化石燃料
天然ガス、オイルサンド、オイルシェール、メタンハイドレート …後期の地学(2)で
種子植物の進化 …花と実をつける被子植物の出現(白亜紀)
実を食べ、排泄物とともに種子を拡散する哺乳類・鳥類の繁栄…共生関係
樹上生活に適応したサルのグループ…前肢の発達、ものをつかむ能力、立体視能力、ぶら下がりから直立姿勢
樹上生活から平地への生活に適応し、直立二足歩行し木をつかむ代わりに道具を持ったもの…人類の祖先
VTR:
・NHKジュニアスペシャル#31(地球大紀行#6)「巨木の森 大地を覆う」
・NHKジュニアスペシャル#40「地球と生命との関わり」
参考書:
・植物のたどってきた道 西田治文著 NHKブックス98
・石油はどうしてできたか 田口一雄著 青木書店 \2200−
講義データ
http://www.chemie.org/geo/
H.Hagiya (c)2002