地球科学概論(1)
2008.4.28 萩谷 宏
岩石と鉱物
「鉱物は身のまわりのどんなところにあるのか」
地球に関するデータ
地球は密度成層構造
核 …金属鉄+ニッケル、軽元素 (固体+流体金属、地磁気の発現)
マントル・地殻 …珪酸塩岩石 Lithosphere(岩石圏)
海洋 …水 Hydrosphere(水圏)
大気 …窒素+酸素+アルゴン+水蒸気+二酸化炭素… Atmosphere(気圏)
固体地球表層をつくるもの =地殻
海洋地殻、大陸地殻 いずれもマントルから浮上したマグマが冷えて形成
違い:化学組成、密度、形成年代
大陸地殻…下部地殻と上部地殻の違い、形成年代による違い
マグマの浮上:地殻をつくるプロセス
密度差による浮上 …周囲より密度が小さいから浮上できる
部分融解 …マグマに入りやすい物質が集められる
揮発性成分(火山ガス)が重要。日本の火山は沈み込むプレート上部の水の再放出
マグマから鉱物へ
珪酸塩鉱物…マグマは水溶液に似ている…珪酸のネットワークが作る鉱物
化学組成…珪酸のネットワークと陽イオンの組み合わせ…電気的中性を保つ
結晶化の進行:鉱物に組み込まれる成分、入りきれない成分 …濃集
地球は鉱物でできている
鉱物・岩石・鉱石・宝石
氷も鉱物。鉄も鉱物。結晶構造とアモルファス、ガラス
関東ローム中の火山灰鉱物
鉱物の化学組成の意味すること 結晶構造が持つ情報
岩石は鉱物(結晶)の集合体
鉱物とは…ある一定の化学組成と、一定の結晶構造(原子配列)をもつ物質の単位
造岩鉱物:石英、長石類、雲母類、角閃石類、輝石類、かんらん石類…
岩石の化学組成:鉱物の種類と量比で実現される
微量成分の存在
鉱物の光学的性質
光は電磁波の一種 結晶構造に影響を受ける
偏光による観察 結晶をつくる原子の配列によって、光の通り方が決まる
消光 多色性 干渉色 …偏光による光学的性質 鉱物同定のてがかり
造岩鉱物と特殊な鉱物
地球型惑星で共通
マグマの固結と鉱物の結晶化 結晶分化作用
固溶体のしくみ 多形(同質異像)
特殊な成分の濃集 ペグマタイト、熱水脈
生物が作る鉱物 カルサイト、ハイドロキシアパタイト、…
濃集のしくみ
マグマ生成の場での濃集
マグマの固結にともなう濃集
水による分別・濃集
濃集と宝石のできかたの関係 …宝石の生まれるところ
石材の岩石学
石材に使われる岩石:花崗岩(御影石)、はんれい岩(黒御影)、石灰岩(大理石)、砂岩、蛇紋岩、めのう、 …探してみよう