地球科学研究室
・研究室所在地: 6号館 1階
・研究室HP: http://www.h-hagiya.com/
・講師 萩谷 宏
・学生人数:学部 男子1名、女子1名(委託) 大学院生 男子0名、女子0名
・研究内容:地球環境の歴史を地層や岩石から読み解く。
・社会との接点:地球環境問題への基礎データ提供。映像を通じた理科教育への貢献。
・研究室の横顔:フィールド調査を重視。
・研究内容:
生命を育んだ惑星「地球」の大気・海洋・地殻のおいたちを明らかにしています。現在の地球の生命圏を支える、酸素の多い大気や海洋、地殻などの地球表層の環境がどのようにつくられ、維持されてきたかを探ります。フィールドで岩石の分布する状態(産状)を調べ、持ち帰ったサンプルを顕微鏡観察や機器分析で元素の割合を調べることから、過去の地球で起きた事件を読みとり、地球システムのしくみを明らかにしていきます。
・社会との接点:
現代の産業社会は、金属鉱物や化石燃料などの地下資源の大量消費だけでなく、大気や水、地盤、地形など、自然界の材料を利用し、自然システムに影響を与えながら発展してきました。地球環境問題の改善、地域環境の保全のためにも、地球のしくみに関する知識が必要とされています。過去の地球について調べ、地球システムを学ぶことは、現在と未来の地球のバランスを保つために何ができるか考えるために必要なことです。研究対象には、武蔵野台地や海岸砂などの身近な自然環境や、フィジー諸島共和国での資源探査と地域環境保全の問題も含まれます。また、映像や博物館活動を通じた、学校教育や社会教育の枠にとらわれない科学教育・環境教育活動と教材開発を試みています。
・研究室の横顔:
野外での調査を基本として、採取した試料の分析から情報を取り出し、過去の地球表面の様子を組み立てていく、地質学の手法を中心に研究を進めます。地球上どこにでも調査に行く行動力と、根気強さが要求されます。研究テーマとしては個別の事象を扱いますが、地球システム全体とのつながりを常に意識させられるのが、地球科学の特質でもあります。非常に広範囲の勉強が必要になります。
・ 主な卒業研究テーマ:
●フィジー諸島の中新世礁成石灰岩に記録された海面変動の地球化学的研究
●大島火山の歴史時代溶岩流内部の全岩化学組成変化の成因
●海岸の砂浜をつくる砂つぶ(鉱物)の種類の変化特性を探る
●砂岩など堆積岩の微量元素組成を利用した、過去の地殻の性質とその進化の解読
●初期地球海洋での酸素生産量の見積もりと光合成生物出現による変化に関する研究
●武蔵野台地の形成過程、関東ローム層の風化に伴う物質収支についての研究
●南太平洋フィジー諸島共和国の石灰岩資源採掘に関わる地質調査と環境影響評価・予測
●映像や実物標本を利用した理科教育・科学教育手法の研究と教材開発