研究内容紹介
2003.5.10現在
萩谷 宏:工学部教育研究センター(化学部門) 専任講師(2003.4〜)
専門は地質学(岩石学、テクトニクス、地球史)
研究内容(大学進学案内の原稿)
1.岩石の微量元素組成を用いたテクトニクスの復元
国内外の野外調査を基礎に、XRF、EPMAなどを用いた火成岩、堆積岩、変成岩の化学組成の分析から、大陸分裂などの過去の地質学的事件を読みとり、同時に、マグマ活動の痕跡である火成岩や当時の地表状態を示す砕屑岩から地殻の組成の変遷を詳しく調べることで、大陸地殻の進化を研究している。
2.初期地球の表層環境に関する研究
初期地球の海洋の堆積物としてみられる縞状鉄鉱層の組成と厚み、縞状鉄鉱を含む地質体の形成期間から、地球史前半の大気や海洋の組成を研究している。特に、酸化鉄主体の縞状鉄鉱の形成では海水中の酸素が消費されることから、初期地球の生物進化と光合成活動による酸素生産の量的な見積もりを試みている。
3.現世の砂の鉱物組成および化学組成のバリエーションに関する研究
過去の地球について、堆積物から当時の大陸地殻組成を求める際の基礎資料として、現在の海岸砂や川砂を収集し、その粒子構成や化学組成のデータベース作成を目指している。
4.理科教育・環境教育に関する活動
科学教育番組の監修・企画・制作および映像・CG制作と、教材としての映像利用の実践と研究。学校教育・大学教育の枠を離れた、博物館展示、野外活動、出版物、webサイト、映像などを合わせたメディアミックス型教育活動を試みている。
E-mail: hiroshi.hagiya@nifty.ne.jp
研究URL: http://www.h-hagiya.com/