固体地球2

 この前 この次

高校1年地学 授業要旨 11

1997.5.31実施


アイソスタシー

氷はなぜ水に浮くか

 密度の違い …浮力

 浮いているものの底面での、圧力のつり合い =アイソスタシー

地殻はマントルに浮いている存在

(図)

 ρm:マントルの岩石の密度、ここでは3.3g/cm3とする。
 ρc:大陸地殻の岩石の密度、2.7g/cm3とする。
 h1:地殻の厚み
 h2:”浮いている”部分の地殻の高さ

高校1年地学 授業要旨 12

1997.6.6実施 前回 次回


造山運動の現代的解釈

 プレートの移動… 大陸移動説の復活、大西洋の開裂

 分裂した大陸はどこへ行くか → 地球の反対側へ。 太平洋を狭めて、大陸が集合しつつある

 →実証 VLBI

*過去にも大陸の集合・超大陸形成、超大陸の分裂、大陸の集合・・・のサイクル、少なくとも4回

 現在は中生代以降のパンゲア分裂後の再集合への途中の段階

集合時に大陸が互いに衝突 → 造山帯の形成

例:インドとユーラシアの衝突、インドの北側の大陸地殻がぶつかり、ユーラシアの下に潜り込んで、地殻の厚みを2倍にしている。

→中国の内陸巨大地震の原因、チベット高原の成因(地殻が厚い→アイソスタティックな隆起)

(図3枚)

配布物:「おいしい水の探求」小島貞男、NHKブックス487から抜粋・紹介:2枚半

    「地球化学」松尾禎士監修、講談社から、元素の宇宙存在度の図3つと表、恒星内での元素合成の説明の一部、全地球組成推定値:1枚半


授業一覧

index

高校1年地学 授業要旨 13

1997.6.7実施


造山運動の現代的解釈(続き)

大陸地殻の衝突 →重なり・・・厚みの増加

 アイソスタシーから、山脈の成因を考える

ヒマラヤ−チベット高原の例 インドとユーラシアの衝突 およそ1000万年前から

 大陸地殻の厚みを通常h1:30km、重なった部分でh2:60kmとして計算。

 地殻の密度ρc=2.7g/cm3、マントルの密度ρm=3.3g/cm3(それぞれ平均値)とし、他の要素をとりあえず無視する。

 *実際には、地殻の密度とマントルの密度の差が多少小さくなるはず。

(図)

 計算する。

 x+y+30=60

 ρc*h1=ρc*h2+ρm*y

 数値を代入して解くと、x=5.5(km)

 これは、チベット高原の平均標高に近い。

余談:日本列島の成立、せいぜい1000〜2000万年前

 我々みんなが、大陸から渡ってきた人類の末裔。早く移住したか、遅く移住したかの違いだけ。

 世界中の民族が、ほとんどすべて移動・移住を経験している。


授業一覧

index