武蔵工大・工学部 土木工学科、建築学科 専門基礎科目
4 古生代・脊椎動物の出現
われわれはどこから来たのか(第4回)
2001.5.1 地学#4 萩谷 宏
説明図集
多細胞生物の出現
酸素濃度の上昇、真核細胞の形成(細胞内共生説)
左(A)はガンフリント・チャート層(北米・19億年前)中の原核生物の化石。球状の化石で直径約10μm。原核生物と真核生物の化石の区別は、細胞の大きさ(原核生物で通常10μm以下、真核生物は数十μm)や、構造の複雑さで判断することが多い。
右(B)は、およそ7.5億年前の緑藻と見られる真核生物の化石。直径35μm。
細胞の機能分化…多細胞生物の出現
有性生殖の開始
エディアカラ動物群 …先カンブリア時代末 様々な殻を持たない多細胞生物
オーストラリアで最初に報告された、エディアカラ動物群のさまざまな化石。砂岩中に印象として残った化石で、硬組織を持たない事が特徴。これらの化石の生物学的分類は、非常にホットな研究対象になっている。
全球凍結事件(雪玉地球)の意義
殻をもつ生物の出現
カンブリア紀初期の小殻生物 様々な外骨格の獲得
カンブリア紀初期のTommotian動物群の化石。シベリアで最初に発見された、数ミリ以下のさまざまな骨格からなり、貝類の祖先と考えられるもの(A)もあるが、分類が不明のものも多い。
生物礁の形成 古杯類、サンゴ、ウミユリ
地球環境への影響 …氷床形成
脊椎動物の起源 魚類の出現
最古の魚類化石の発見 …5億3000万年前、中国で産出。
中国・雲南省から報告された、最古の魚類の祖先と考えられる化石。ピカイアより古く、脊椎動物の起源についての通説が書き換えられたことになる。
バージェス動物群 多様な形態の獲得、進化の加速?
脊索を持つ動物:ピカイア
酸素濃度の上昇 …地球史の基本パターン
先カンブリア代→古生代カンブリア紀:化石記録の爆発的増大
(約5億年前まで、生物の進化は海水中で進行)
酸素濃度(PO2)の増大(←光合成生物の活動) ・・・ 生物の複雑化(進化)を可能にする
複雑化:1)多細胞化 2)機能分化 3)殻(骨格)の形成
1)多細胞化への道: 原核生物(バクテリア)→真核生物 細胞内共生(核、ミトコンドリア、葉緑体)
真核生物の出現 〜21億年前、緑藻類? グリパニアなど。(化石体未確認で有機化石から27億年前という報告あり)
葉緑体・ミトコンドリア、独自のRNAをもち、自己増殖可能。ただし、生存に必要な物質を依存。
細胞内共生により、細胞内小器官の特殊化・機能分化(役割分担)の進行。
多細胞生物 細胞ごとの機能分化 …人間ではの60兆の細胞、たった1個の受精卵から分裂して機能分化。
余談:クローン技術、マンモスの絶滅と復元。
バイオターベイション 生痕化石 11億年前、インドの砂岩
有性生殖の開始(6億年前?) 進化の加速?
引用文献・図の出典:
・"Earth System Histry" S. Stanley(1999) Freeman
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H.Hagiya (c)2001