武蔵工大・工学部 建築学科 専門基礎科目 地学(2)
21 海のめぐみ …海の役割・生態系・資源
地球システムのしくみ(第2回)
2001.11.20 地学#21 萩谷 宏
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説明図集 …高速環境向きはこちら(図が大きい)
現世サンゴ礁の観察 …サンゴ礁の発達プロセス。
ダーウィンが提唱した火山島沈降によるサンゴ礁の発達説に基づく説明。 その後、2000mに達するボーリングによって、環礁の直下に火山島の頂部が埋まっているのが発見され、 ダーウィン説が認められた。
島の一生、H.W.Menard著(東京化学同人)より。
Vanua Levu島南西部のサンゴ礁。火山性堆積物でできた島の周囲をサンゴ礁が囲んでいる。サンゴの生きているところは色が濃く、白い部分はサンゴの破片でできた砂が埋めているところ。
礁の外縁部は、外洋の波が砕け、内側の海岸を侵食から守るとともに、壊れたサンゴの骨格などが海底に積もり、拡大していく前縁ともなっている。
サンゴ礁の内部。生きているサンゴの群体が、複雑な模様をつくっている。
河口−海岸の風景 …三角州とマングローブ
河口の三角州とマングローブの海岸。サトウキビのプランテーションによって、表土の流出が増えているのではないかと推測する。
1500万年前のサンゴ礁の化石 …Viti Levu島・中新世石灰岩
増水したシンガトカ川。現地は雨期に入り、上流域で一雨降ると、水位はあっという間に上昇する。
正面の山の中腹から上部に、中新世のガリマーレ石灰岩が露出している。北側は絶壁。礁成石灰岩で、厚みは200mに達する。下位は火山性堆積物。
渡し船を見事にあやつる、ドリラーのジョー。その向こうに連続する小さな崖として、川の蛇行に伴って浸蝕される、川の攻撃斜面が見えている。
山の中腹からみた、コロイエマル山(453m)。石灰岩の絶壁がよくわかる。
石灰岩の崖を登るために、現場でつくってもらった木の階段。よくできている。
ボーリングコアに現れた層理。石灰質の泥が堆積した様子から、堆積時の水平面を判断する。
夕暮れ、ボーリングサイトから上流を眺める。尾根部分は石灰岩の分布域だけ、樹木が生えて、緑が濃い。
画像ソース:
萩谷 宏(c)2001
VTR:
・NHKジュニアスペシャル #4「奇岩にひそむ大気の謎」
・同上 #34「めぐる生命の輪」
・NHKジュニアスペシャル#36「眠る巨大資源」(同上)
参考書:
・島の一生 H.W.Menard著 卯田 強訳 東京化学同人 SAライブラリー19
・環太平洋の自然史 米倉伸之編著 古今書院
H.Hagiya (c)2001