2002年度地学

武蔵工大・工学部 建築学科 専門基礎科目


24 後氷期の人類   …文明の成立と自然システム

 地球システムのしくみと環境の保全(第4回)

2002.12.10 地学#24 萩谷 宏


キーワード:氷期、気候の安定化、海面変動、モンゴロイド、縄文文化

深層水循環の発見
 北大西洋と南極海での沈み込み、北太平洋での混合・上昇
 深層の栄養塩の輸送 湧昇流の漁場との関係

氷期−間氷期サイクル(前期の復習)
 海流の熱輸送の重要性 深層水循環の停止と寒冷化

氷期の終了と人類の拡散
 海面低下 →ベーリング海峡の陸化、氷床縮小とともにモンゴロイドの移動、拡散
 わずか2000年ほどで、南米南端パタゴニア地域に到達

南北アメリカ大陸の大量絶滅
 大型哺乳類の絶滅 …後氷期の環境変動の他、人類による狩猟の影響?
 ユーラシアでのマンモスの絶滅と人類の捕食圧

縄文文化の特異性
 森林との共存 狩猟、採集の他、栽培の可能性
 日本の場合 何が砂漠化を防いだのか

後氷期の安定した気候と文明の開始
 森林の伐採、土壌流出…砂漠化の進行
 文明の継続期間の限界、中心地の移動

現代文明の問題
 解決への遠い道のり

 何から始めればいいのか 「知ることのあり方を問い直そう」(次回に)

VTR:
NHKジュニアスペシャル #37「深層海流二千年の大航海」
NHKジュニアスペシャル #38「縄文 〜文明を守る穏やかな気候」

参考書:
・NHKスペシャル「海」 NHK出版
・モンゴロイドの地球5 最初のアメリカ人 大貫良夫著 \2600
・先史時代の自然環境 松島義章・前田保夫著 東京美術 \979

講義データ
http://www.chemie.org/geo/


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