物質収支の問題
100万年あたり、10の16乗kgの酸素を縞状鉄鉱が固定したと推定。
これに相当する、10の17乗kgの鉄イオン供給は可能か?
Holland(1992)の推定
熱水による鉄イオンの供給 2×10の15乗kg/100万年 …現在と同じ
→過小評価ではないか
堆積物の供給(現在)…10の19乗kg/100万年のオーダー
その1%が鉄イオンとしても10の17乗kgを供給できる。
炭酸塩岩のSr同位体比は、この当時はほぼマントル進化線にのるので、
熱水による供給はかなり大きいはず。
したがって、説明可能では?
まとめ
閉鎖系のモデルは無理、沈み込む縞状鉄鉱の評価が重要。
Archean - early Proterozoicを通じて、およそ10の19乗kg(10の21乗モル)の酸素が縞状鉄鉱により除去され、マントルに沈みこんでいった可能性がある。
このプロセスで、“失われた酸素”の問題は量的に説明可能。
地質の記録の評価、利用法を見直す必要