2002年度・自主ゼミ「武蔵野台地をあるく」

参加自由。企画責任者:萩谷 宏


 立川断層と武蔵野台地の水 (下見)

2002.8.13

矢川駅〜矢川緑地 地図

 矢川駅を下りると案内板がある。駅の北は立川段丘面、南側は青柳段丘面が広がり、現在の多摩川に続く。

 画面右端が南武線の線路。手前右側の面と、奥左側の面でわずかな段差があるはずなのだが、どうもわかりにくい。しかし、断層の低い側に沿って矢川が流れていると考えられるので、だいたいの見当はつく。

 矢川緑地を流れる矢川。湧水が起源のようだ。鴨が泳いでいるし、水はきれい。

 矢川緑地での湧水の様子。写真ではローム層(立川ローム)からわき出ているが、主にその下位の砂礫層(段丘レキ層)を透水層として輸送された地下水がわき出しているようだ。

玉川上水〜武蔵砂川

 西武拝島線・武蔵砂川〜玉川上水駅間の玉川上水。画面奥が上流側だが、右にカーブしているのは、立川断層による垂直変位のため、まっすぐ上水を通せなかったことから土地の低い側に迂回した結果。

 線路沿いの立川断層による変位の様子。ローム層やその下の第四紀層あやわらかいため、断層面が地表にはっきり現れず、ゆるい曲面(とう曲面)として現れている。参考:山崎(1977)

 日産自動車の閉鎖した工場の壁沿いに見られる立川断層による変位。4m程度あるように見える。

箱根ヶ崎〜狭山池

 狭山池。残堀川が流れ出している。画面奥の森は狭山丘陵の先端が見えている。地下水の流れが立川断層で断ち切られ、湧水をつくっているとの説明。(榧根勇・NHKブックス)

 立川断層の変位で、東側が隆起して、上総層群を基盤とする狭山丘陵をつくっている。段丘としては多摩面に相当する。遠くから見ると、尾根の高さがそろっていることからも推定できる。多摩川の削り残した残丘でもある。

 箱根ヶ崎付近での立川断層の変位。画面ではわかりにくいが、茶畑のある斜面が断層のとう曲面。


講義データ
http://www.chemie.org/geo/


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