参加自由。企画責任者:萩谷 宏
7’ 多摩丘陵の断面
2002.11.8 見学 (吉崎研の見学会として)
記録写真2002#07 ローム層中の火山灰鉱物写真集 2002#07
自主ゼミ「武蔵野台地をあるく」第7回その1
多摩丘陵の断面 …生田緑地での地質観察
#0 上総層群(飯室層)とおし沼砂礫層(30万年前)の不整合露頭。おし沼砂礫層の砂を採取
#1 おし沼砂礫層のすぐ上の粘土化した軽石層を採取(多摩ローム:24-26万年前?)
#2 丘陵のかなり上部のロームを採取。武蔵野ローム(3-6万年前)〜立川ローム相当。
#3 表土のすぐ下のロームを採取。鉱物組成から立川ローム(1-3万年前)と推定される。
#4 ガイドブックによると下末吉ローム。およそ13万年前。
講義ポイント
関東平野のなりたち
基本的にこの地域はやや隆起傾向にある…河岸/海岸段丘面形成
海や河川による平坦化を逃れた時期が早い(古い)ほど、高い面
海成層(上総層群)が確認できる範囲での基盤 …武蔵野台地と共通
多摩丘陵の特徴 約30万年前に陸化。古いために長期間の浸食が進行。細かい谷が入り複雑。
武蔵野台地は新しい。下末吉面で12万年前、武蔵野面で6万年、立川面で3万年。
多摩丘陵の断面を見る 陸化したあとに火山灰の堆積…いわゆる関東ローム層の形成
海成層、河川成層の形成される場では、火山灰は流されやすい。陸化すると整然とたまる。←谷で削られなければ。
古い段丘面…陸化してからの時間が長い 長期間の火山灰の堆積 その分長期にわたる歴史が記録される。
一般的な海での地層の堆積、貯金と同じで、たまったり、削られて減ったり、連続的ではない。しかし陸成層は一方的に堆積進行。
多摩丘陵の位置の幸運さ 西側に箱根・富士火山。上空は西風が多い。風下に火山灰は厚くたまる。…記録が残りやすい。
海成層との不整合面、不透水層、砂礫層からの水の湧出。湧水と人間生活 遺跡の集中
ローム中の火山灰鉱物…供給源火山のマグマの性質を反映する 時代により活動的な火山が変化…鉱物組成も変化
多摩ロームから武蔵野ローム…古箱根火山の噴出物が優勢。斜長石、普通輝石、しそ輝石を主。
立川ローム…新期富士火山が優勢。かんらん石、斜長石。
多摩ローム、下末吉ロームには木曽御岳、八ヶ岳の噴出物も混じる。
軽石、スコリア、岩片
火山ガラスの粘土化。火山ガラスは屈折率で同定が可能。数万年で火山ガラスは粘土になってしまう。
講義データ
http://www.chemie.org/geo/
H.Hagiya (c)2002