2002前期末試験の採点メモ
2002.8.8
・万有引力がわかっていない。重力が突然生まれるような誤解がある。たぶんVTRのナレーションにも問題がある。
・太陽系がいつできたか、どうやってできたかを述べていない答案が多い。(授業での放射年代測定の説明不足からか。)
・元素を原素と書く誤りが目立つ。
・ビッグバンでできたチリが集まって、というのは、どういうチリだ。
・太陽系の惑星が力学的に結びついている、というのは何に書いてあった表現だろうか。
・核融合の融合を隔合と書く誤りが目立つ。超新星爆発を超新生爆発と書く誤りも。
・地殻の殻の字を間違えて、穀物の穀と書いている学生多い。噴火を古墳の墳と書くのも多い。建築2年で噴火を墳化と誤って書く学生が多いのは、誤字のあるノートが出回ったのか?
・中生代を中世代と書く誤り多数。
・中生代の終わりは氷期ではない。一時的な寒冷化はあったかも知れないが、氷床の記録はない。氷期と短期的な寒冷化の違いを説明しておかないと。映像が大げさすぎるのか。
・中生代の三畳紀を三塁紀と書く学生が土木2年で数人いる。間違ったノートが流通したのか。
・中生代に有毒植物が出現、というのもある。何のことかわからないが、恐竜絶滅説関係の妙な本を読んだのだろうか。
・示相化石でなぜ地質時代が区分できるのか。土木では論述のポイントがずれているものが多い。
・石炭を石灰と書くものが目立つ。
・化石燃料を燃量と書くものが目立つ。
・森林の役割(土壌維持、豊かな生態系、水・物質循環、水源涵養…)はよくできている。
・屋上緑化について触れているものが多い。
・ヒートアイランド現象と地球温暖化の混同。現象のスケール認識の問題
・化学式の表記ができていない。同位体の質量数、化学式が正確に表現できない。14C、O2など。
・火山活動のデメリットに地震を挙げる学生が多い。火山性地震は規模としてそれほど問題だとは思わないのだが。火山災害が身近ではなく、具体的にイメージできないということか。
・砕屑粒子が書けない。キーワードとして教えるべきか。
・鉄鉱石を鉄鋼石と間違えたものが多い。鉄の鉱石だから鉄鉱石なのに。
・噴火で地球内部の鉄が飛び出してくる、という答案あり。密度成層をきちんと教えなかった/理解できなかったということか。
・熱水は異常に熱せられた水か??
・鉱物・岩石・鉱石の区別がついていない。
・噴火で火山の山頂から金や銅が出てくるというのは、アンデスのVTRの影響だろうか。
・ブラックスモーカーの映像の印象が強いようだ。
・マグマの上昇によって金属資源が持ち上げられる、というのは間違いではないが、水による濃集に触れたものが少ない。
・金がマグマ中で硫黄と結びつき、運ばれるというのは、HS-との錯イオンのことを指していると思うが、誤解を招かぬよう、どう説明したものか。塩化物との錯イオンとしても動きうる。
・生態系を生態形と書いているものが多い。生体系という誤字もある。
・森林の重要性について、二酸化炭素の吸収の役割を書くものが多い。森林による吸収は一時的な炭素貯蔵であって化石燃料消費による放出分を吸収するほどの能力はない。むしろ海が重要なのだが。
・火山活動によりプレートが動く、地殻変動が起こる、という答案を書くのは現象のスケールを認識していないということか。どちらかというと逆のセンスなのだが。
・担当教員の名前を間違えるというのは、単位は要らないという意思表示かな。萩野はともかく、大野先生って誰だ?
・被害を非害と書く誤りが多い。
・洗剤を洗済と書く誤りも多い。
・化石の産出は出土(考古遺物)とはいいたくない。そもそも、化石は土壌からは出ないだろう。
・屋上緑化はいいのだが、縁化と書くものが多い。